...眼の前の停車場がずるずると後ずさりを始めるのを待つともなく待ちかまへてゐた...
芥川龍之介 「蜜柑」
...平原地を通りぬけて再びあの深林中の小径に来た時、突如私の前に現われたのは一匹の面構え野蛮にして狼のような犬で、噛みつかんばかりの勢で吠え立てたが、路が狭くて通りこすことが出来ないものだから、後ずさりをした...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...春琴の師匠春松検校の教授法もつとに厳格をもって聞えていたことは前述のごとくややもすれば怒罵(どば)が飛び手が伸びた教える方も盲人なら教わる方も盲人の場合が多かったので師匠に叱(しか)られたり打たれたりする度に少しずつ後ずさりをし...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...あいつらに会ったら後ずさりするよ...
カレル・チャペック Karel Capek 大久保ゆう訳 「RUR――ロッサム世界ロボット製作所」
...前よりもまた少し後ずさり気味で...
中里介山 「大菩薩峠」
...おれの前で後ずさりをし始めた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...すると馬はお互いに少し後ずさりをしたが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...群集がたじたじと後ずさりをしながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...さあ、司令車がやられたので、さすがのライオン戦車隊も、おどろいて、あわてて突撃をやめるものもあるし、後ずさりしたり、向(むき)をかえたり、にわかに足なみが乱れはじめた...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...ヘルマンは思わず後ずさりするはずみに...
プーシキン Alexander S Pushkin 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...彼は後ずさりしてマスクをはずし...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...思わず後ずさりながら...
堀辰雄 「ほととぎす」
...殴られるかと思って、後ずさりした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...一瞬後ずさりして...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...びっくりして後ずさりする様は...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...わたしは後ずさりをした...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...人よりも勘のするどい馬は、早、前肢(ぜんし)を突っぱって、後ずさりした...
吉川英治 「源頼朝」
...森はひょろひょろと蹌踉(よろめ)きながら後ずさりし...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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