...その近所で人妻らしい人の往来するのを見かけると葉子の目は知らず知らず熟視のためにかがやいた...
有島武郎 「或る女」
...男女の学生が自由に往来するを少しも干渉しないのみならず...
内田魯庵 「四十年前」
...砂礫白泡とともに往来する所...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...人々は勝手に往来することが出来る...
高浜虚子 「丸の内」
...其所は別荘へ出入の魚屋酒屋など商人の往来する道でその先に別荘の裏門が見えてゐる...
田中貢太郎 「海異志」
...全身には悪熱悪寒が絶えず往来する...
田山花袋 「一兵卒」
...今日(こんにち)まで吾々が年久しく見馴れて来た品川の海は僅(わづか)に房州通(ぼうしうがよひ)の蒸汽船と円(まる)ツこい達磨船(だるません)を曳動(ひきうごか)す曳船の往来する外(ほか)...
永井荷風 「水 附渡船」
...年に一度くらいは芝居も見物したい――安月給取の頭の中を毎日のように往来するこうした小さな慾望が...
平林初之輔 「犠牲者」
...朋友も多い事だから相互(あいたがい)に往来するのは不断の事で...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...二筋三筋扇頭(せんとう)の微風に戦(そよ)いで頬(ほお)の辺(あたり)を往来するところは...
二葉亭四迷 「浮雲」
...哀悼(あいとう)の弔問客(ちょうもんきゃく)が絶えず往来する...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...人間の往来するあちらでは数年来のさんざんな労苦があったが...
本庄陸男 「石狩川」
...人間の眼を触れずに自在に往来する...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...田丸先生の内命を受けて使いに出た者ではないのかなあ? それが吉村や薩賊と往来するなどとは怪からん...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...船が遠くの湊(みなと)に往来するようになって...
柳田国男 「木綿以前の事」
...空を往来する精霊(しょうりょう)のためには...
柳田国男 「雪国の春」
...――これほどな大河、昼中は、何で往来するか...
吉川英治 「新書太閤記」
...それから時々往来するようになり...
和辻哲郎 「漱石の人物」
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