...蓆(むしろ)旗――神経を尖らして往来する同志達――俺達は各々部署についていた一人残らず俺達はみんな云っていた...
今村恒夫 「死ぬる迄土地を守るのだ」
...此の荒海を往来する諸人(もろびと)をお助けくださいますようにお願いいたします...
田中貢太郎 「海神に祈る」
...その前を往来する舟を数里の前(さき)まで迎えに往って...
田中貢太郎 「竹青」
...始終でなくとも一年にせめて一度位そこに往来する機会があつたなら...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...模範政治家たらむことを望むの私情は胸襟の間に往来する所たり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...往来する女の浴衣(ゆかた)が人の目を牽(ひ)く...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...往来するものは百姓だけではないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...眼前を往来するこの黒い人間を眺めていた...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...それでも金力を離れた他(た)の方面において自分が優者であるという自覚が絶えず彼の心に往来する間は幸福であった...
夏目漱石 「道草」
...雲にして山に紛(まが)ふも山にして雲に紛ふも咎むる勿れ二つ前のそれと同じ時湯本で早春の箱根に雲の往来する姿を朝夕眺めつつ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...夜の二時を昼の心地に往来する家の内かな子の病ゆゑ子が重病に罹つた場合どの親でも経験したことを代つて云つて貰つた歌である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...二筋三筋扇頭(せんとう)の微風に戦(そよ)いで頬(ほお)の辺(あたり)を往来するところは...
二葉亭四迷 「浮雲」
...十数町を隔てた小学校へ往来するほかには...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...美しい人びとの往来する朱雀大路(すざくおおじ)を思うだけでも...
室生犀星 「津の国人」
...それ以前は開港場に往来する者が...
柳田国男 「木綿以前の事」
...空を往来する精霊(しょうりょう)のためには...
柳田国男 「雪国の春」
...――これほどな大河、昼中は、何で往来するか...
吉川英治 「新書太閤記」
...出石方面から山陽方面へ往来するには...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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