...ある区のある町はほとんど全市民が相往来するから...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...晴れた日でも河蒸汽(パトー・ムーシュ)でセーヌ河を往来する客の数が目に見えて減って来た...
辰野隆 「二人のセルヴィヤ人」
...余り頻繁(ひんぱん)に二人が往来するので...
田山花袋 「蒲団」
...凡兆は中音域を往来するセロ...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...まれに山木に往来する時もなるべく危うきに近よらざる方針を執りけるに...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...中間を巧妙に往来する態度を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...大阪と讃岐(さぬき)の間を往来する金比羅参詣の船へ乗るが好いというので...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...あまつさえそこに往来する王様の姿もが共にあい漾映して真の動ける十万億仏土を顕現したるがさまであったという...
中井正一 「うつす」
...殊に歳暮(さいぼ)の夜景の如き橋上(きょうじょう)を往来する車の灯(ひ)は沿岸の燈火と相乱れて徹宵(てっしょう)水の上に揺(ゆらめ)き動く有様銀座街頭の燈火より遥(はるか)に美麗である...
永井荷風 「日和下駄」
...興に乗じての散歩で往来するのと違い...
中里介山 「大菩薩峠」
...眼(め)とすれすれに機躡(まねき)が忙しく上下往来するのをじっと瞬かずに見詰(みつ)めていようという工夫(くふう)である...
中島敦 「名人伝」
...吾輩などは目の間から自由自在に往来する事が出来る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...美しい人びとの往来する朱雀大路(すざくおおじ)を思うだけでも...
室生犀星 「津の国人」
...いかなる曲折を経(へ)て今に至つたと云ふことが夢のやうに往来する...
森鴎外 「大塩平八郎」
...もしくは狩をしにしばしば人の往来する所では...
柳田國男 「名字の話」
...鼻の表現の底を往来する「暗い記憶の影」は除かれない事になります...
夢野久作 「鼻の表現」
...その後悔が頭のなかを往来する...
吉川英治 「宮本武蔵」
...彼はサイゴンとプノンペンを往来する商権の保持と...
吉行エイスケ 「新種族ノラ」
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