...ふらふらと枝から枝に移り往くこの貧しい佗姿に近づき...
薄田泣菫 「独楽園」
...仕切袋を肩に柿色の日傘をさして往く男も...
竹久夢二 「砂がき」
...秀夫はその円髷の後(うしろ)から跟(つ)いて往くと...
田中貢太郎 「牡蠣船」
...青年は車は何方(どちら)の方へ往くだろうと思って...
田中貢太郎 「賈后と小吏」
...云って舌打ちしたが強いて往くのもいけないとおもったので...
田中貢太郎 「蟹の怪」
...新一は時どきその垣根の破れを潜って卵塔場へ遊びに往くことがあるのでよく案内は知っていた...
田中貢太郎 「狐の手帳」
...それは初夏のもの悩ましい壮(わか)い男の心を漂渺(ひょうびょう)の界に誘(いざの)うて往く夜であった...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...大きな胴体をしている来宮様を抱いて往くことができなかった...
田中貢太郎 「火傷した神様」
...其家は彼の家から石山氏の宅に往く中途で...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...路は田圃の畦に似た草間を往く...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...往く先々で美味しい御馳走にありつくことの出来る豊饒な夏に飽満(ほうまん)した蠅どもは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その車がだんだん木の陰になりながら見えなくなって往くのをじっと見送って佇(たたず)んでいるうちに...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...何のために生きて往くのか...
牧逸馬 「生きている戦死者」
...山を分けて尋ね往く最中...
南方熊楠 「十二支考」
...日本の婦人は日中芝居へ往く暇があっても家で三...
村井弦斎 「食道楽」
...先生はわたくし共を中橋の佐野松(さのまつ)へつれて往くこと度々であつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...柴苅りに往くからは...
森鴎外 「山椒大夫」
...少年のころは人里離れた森へなど往くのは...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
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