...往々にして妥協したい情熱である...
太宰治 「かすかな声」
...これを応用すべき具体的の「場合」の前提とすべき与件の判定は往々にして純正物理学の範囲を超越する...
寺田寅彦 「地震雑感」
...往々にしてその専門的研究から無意味な他愛のない人文的諸理論を導き出しがちだ...
戸坂潤 「科学論」
...往々にして私的化された公的半公的機関として私的国策権力(?)に基く暴力団化することはいくらでも例のあることだ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...往々にして人から独立して存在するものであり...
豊島与志雄 「怪異に嫌わる」
...死刑執行が往々にしていかに恐ろしい非道なものであるかについて...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...然し往々にして、最もよく撮られた写真を、自然人生のうちから面白い場面を切り取った写真を、ヒューメーンな芸術だとせらるることがある...
豊島与志雄 「ヒューメーンということに就て」
...善行も往々にして腐敗し...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...往々にして輕蔑した考へを持つて居ります...
内藤湖南 「日本國民の文化的素質」
...往々にして對手を感服させるといふよりも寧ろ威壓して畢ふといふ程の力を有して居たにも拘らず...
長塚節 「記憶のまゝ」
...往々にしてかゝる陷穽がある...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...往々にして好詩を形成することがある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...しかれども父兄は往々にしてこれをゆるかせに看過して一些事と為す...
正岡子規 「病牀譫語」
...余がこれまでの経験によるに画工に向つて注文する所往々にしてその主意を誤られ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...その妻を親切をもって謀(はか)りし罪その他一切の悪業に報わるるの苦痛あるを知りて死にしや否の一事はなお往々にして争われたりき...
宮崎湖処子 「空屋」
...経験は往々にして我々にその反対の事実を見せる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...狐もまた往々にして子供を取って隠す者と...
柳田国男 「山の人生」
...田舎の富家には往々にして此の如く血縁的に孤立せる家系あり...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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