...併し情調の生活は往々にして思想と人格とを拒むの生活となる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...往々(おうおう)幻想(まぼろし)を見(み)るのです...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...中にはだんだんと季題を軽く用うる傾向を現わしてきて季題はまったくの副(そえ)ものとなっているようなものを往々見るようになりました...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...今日は往々さういふ人を見受ける...
戸川秋骨 「翻訳製造株式会社」
...日常の事物を把握するに明敏な頭脳は往々にして論理的に無能である場合が見出されるのは少なくない事実である...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...閣下は唯だ内閣の存立を目的として往々定見なき行動に出づること斯くの如し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...往々常軌を逸する行動あり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...東京駐在の列国外交官中にも往々帝国政府の不統一無能力を私議する者あり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...クリストフの眼から見れば往々にして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...現在往々にして、知識層が政治に期待を失って、その行動の方向を失わんとしつつあると伝えられている...
中井正一 「知識と政治との遊離」
...私にとつて其のスヰッチが往々にして...
中島敦 「かめれおん日記」
...往々にして彼の生活の主調低音(グルンド・バス)になりかねない...
中島敦 「狼疾記」
...変態性慾者に往々にしてあることですが...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...往々乘輿に觸るゝ者ある由...
福沢諭吉 「帝室論」
...書中往々不都合にして解すべからざるものなきにあらず...
福沢諭吉 「日本男子論」
...坪田氏のものから迫られる極みなきペーソスには往々わたしは...
牧野信一 「痩身記」
...人家に栽えてあるツバキは花も多様で葉もまた往々異形がある...
牧野富太郎 「植物記」
...往々さういふのに出會ふ...
吉川英治 「折々の記」
便利!手書き漢字入力検索