...ぼんやり往来(わうらい)の人音(ひとおと)を聞いてゐる...
芥川龍之介 「窓」
...弟子の許(とこ)に持つて往(ゆ)かつしやれ...
薄田泣菫 「茶話」
...その募集に最近支那へ派遣せられて往つた...
薄田泣菫 「茶話」
...離れて往く舟に向って白い小さい手端(てさき)を見せていた...
田中貢太郎 「愛卿伝」
...先輩の眼は金盥(かなだらい)に往った...
田中貢太郎 「雨夜草紙」
...飯(めし)を喫(く)ったなら清水屋へ往って...
田中貢太郎 「女の首」
...刀を脱(と)りながら次の室(へや)へ往った...
田中貢太郎 「女賊記」
...多くの参詣人が和尚の説経を聞いている処へ往った...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...ろうじを往ったり来たりしてるのんを車い乗せたのはよろしいが...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...笹井へ往診がございますが」「笹井?――御隠居さんが云つたのかい」それは正文にかゝりつけの患家だつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...唯ふらふらと遠いところへ往きたくなったのである...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...白井の声は対談の際にも往々にして聞き取れないことがある...
永井荷風 「来訪者」
...庭訓往来(ていきんおうらい)一冊ないのはサバサバしております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...往古の事は姑(しばら)く擱(さしお)き...
福沢諭吉 「帝室論」
...それから何処へ往くのだか一本の道が傾きながら裏山へ消えているきりだった...
堀辰雄 「晩夏」
...マア僕もちょいと小山君の家へ往(いっ)てみよう...
村井弦斎 「食道楽」
...仙台へは往かずに...
森鴎外 「椙原品」
...夜も昼も、いたるところに、暴徒騒ぎと、掠奪(りゃくだつ)、焼打ちが、行われ、「どうなるのか?」と、善良な民をして、ただ右往左往、働く土地も、住む家も、食も失わせるような、悲しむべき日がつづいた...
吉川英治 「平の将門」
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