...父は引かるゝまゝに三兒の後から表にある水鉢の金魚を見に往つた...
伊藤左千夫 「奈々子」
...此ノ空間ヲ往来シテイル電波ノ諸相ニツイテノ研究ハ...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...――乳母車が死んだらその儘(まゝ)天国へ往(ゆ)く事が出来る...
薄田泣菫 「茶話」
...新一は其処へ往った...
田中貢太郎 「狐の手帳」
...老婆は夕飯のことを思いだして其処の室へ往ってみた...
田中貢太郎 「狐の手帳」
...やがて歩きだして中敷の前を掠(かす)めて裏門の方へ往った...
田中貢太郎 「岐阜提燈」
...秋になって陶は花を車に載せて何所へか往ったが...
田中貢太郎 「黄英」
...其の眼は何時の間にか死骸の方に往きます...
田中貢太郎 「死人の手」
...杜陽は起きあがってそれを追って出て往った...
田中貢太郎 「陳宝祠」
...野猪は蛙を呑んでむこうのほうへ這うて往こうとしている蛇を一口にぺろりと呑んでしまった...
田中貢太郎 「山の怪」
...数分前から歩行が困難になってるのを突然気づくことが往々ある...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...「血が、十分に凝固(かたま)っていぬところを見ると、斬って間も無いが――一刀で、往生しとる...
直木三十五 「南国太平記」
...まず各自(めいめい)の家が――家並が後景(はいけい)になって天下の往来が会場だ...
長谷川時雨 「流れた唾き」
...是度は妻クララと倶に再び伊太利に往き...
堀辰雄 「リルケ年譜」
...多人數小舟に乘つて火事場へ往つた...
森鴎外 「栗山大膳」
...オシラサマネフスキーは北海道からの往復...
柳田国男 「故郷七十年」
...気を失うてござらっしゃる」河往来(かわおうらい)の船子たちが知らせて来た...
吉川英治 「剣の四君子」
...草原でしかなかった野中はいつのまにか繁昌な往来に変っていた...
吉川英治 「親鸞」
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