...有位(うゐ)無位(むゐ)、併せて二十人に近い下役さへ、彼の出入りには、不思議な位、冷淡を極めてゐる...
芥川龍之介 「芋粥」
...彼の所有物たる宇宙とその中の万物を見るべきである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...彼の目が生々と光ってきた...
海野十三 「宇宙戦隊」
...彼のみが知る恐ろしさに唯(ただ)...
海野十三 「蠅男」
...彼の故郷の町の執行官になつたといふ事である...
ロバート・ルイス・スティーヴンソン 佐藤緑葉訳 「醫師と旅行鞄の話」
...「しかし二人が二度と会ってはならぬという彼の意見には同感だ...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...勇將かくて陣中に入れば衆人喜べり、彼の生けるを、更に又健やかにして凛々の 515勇を奮ふを喜べり、されど何らの問をせず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...主命を彼のうけしとき...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...彼の唯一な道徳的矜持があった...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...狭くて高い彼の額の上にある髪は...
夏目漱石 「道草」
...彼の作戦としては...
火野葦平 「花と龍」
...両方から彼の腕を鷲掴(わしづか)みにした...
平林初之輔 「犠牲者」
...「もう駄目だ!」卑怯な家畜のような声が思わず彼の歯間を洩(も)れて出た...
平林初之輔 「犠牲者」
...彼の悲しい氣持は突然消えてしまふ...
堀辰雄 「續プルウスト雜記」
...此處で漸く彼の法文が讀めた...
三田村鳶魚 「女順禮」
...始めて彼の為に物を買うことは何と云う悦びだったか...
宮本百合子 「「黄銅時代」創作メモ」
...一撃の下に粉砕しなければならなかった彼の...
蘭郁二郎 「脳波操縦士」
...併し彼の送った最後の探検隊は未だなおニヂェル河上流地方を目ざしたものに過ぎなかった...
和辻哲郎 「鎖国」
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