...予は抽象の低き階級に彷徨する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...総じて複雑した脚色は当の作者自身といえども往々混錯して往々迷路に彷徨するは...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...私は酔うて彷徨する悪癖に悩んでゐるからである...
種田山頭火 「其中日記」
...といふよりも彷徨する...
種田山頭火 「其中日記」
...夜明け近くまで夢現の境に彷徨することがあった...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...過去の恋愛の場面を彷徨するあたりになって...
豊島与志雄 「異邦人の意欲」
...酔ってから深夜の街路を彷徨する楽しみは...
豊島与志雄 「椿の花の赤」
...街路を彷徨する私の眼は更に執拗になっていった...
豊島与志雄 「理想の女」
...路頭に彷徨する身となるかも知れない...
永井荷風 「申訳」
...このあたりに彷徨する野良犬が五六頭...
中里介山 「大菩薩峠」
...暗澹とした空の下を重たい鋼鐵の機械が通る無數の擴大した瞳孔(ひとみ)が通るそれらの瞳孔(ひとみ)は熱にひらいて黄色い風景の恐怖のかげに空しく力なく彷徨する...
萩原朔太郎 「青猫」
...いま憂鬱の重たくたれた黒いびらうどの帷幕(とばり)のかげをさみしく音なく彷徨するひとつの幽(ゆか)しい幻像はなにですか...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...死生の間を彷徨する日が十日もつづいた...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...たまに風が彷徨するものの...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...町のなかを彷徨する奇怪な鳩の噂が擴がつて行く間に...
堀辰雄 「羽ばたき」
...ただいたずらに自己の内側を彷徨するばかりのように思われる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...警察の捜査方針はここに於て五里霧中に彷徨する事となった...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...あの青年は二つの彷徨する世界で一方的な一邊倒な情熱を持ち...
吉川英治 「折々の記」
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