...総じて複雑した脚色は当の作者自身といえども往々混錯して往々迷路に彷徨するは...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...夜明け近くまで夢現の境に彷徨することがあった...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...過去の恋愛の場面を彷徨するあたりになって...
豊島与志雄 「異邦人の意欲」
...ふらふらとそこいらを彷徨する...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...空に地に浮動し彷徨する...
豊島与志雄 「真夜中から黎明まで」
...進撃する軍隊のあとについて彷徨するのである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...路頭に彷徨する身となるかも知れない...
永井荷風 「申訳」
...闇の中を彷徨するものがある...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...暗澹とした空の下を重たい鋼鐵の機械が通る無數の擴大した瞳孔(ひとみ)が通るそれらの瞳孔(ひとみ)は熱にひらいて黄色い風景の恐怖のかげに空しく力なく彷徨する...
萩原朔太郎 「青猫」
...恐怖への豫感曠野に彷徨する狼のやうに...
萩原朔太郎 「宿命」
...いま憂鬱の重たくたれた黒いびらうどの帷幕(とばり)のかげをさみしく音なく彷徨するひとつの幽(ゆか)しい幻像はなにですか...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...今日尚依然として巷路に彷徨する老書生だ...
萩原朔太郎 「室生犀星に與ふ」
...死生の間を彷徨する日が十日もつづいた...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...たまに風が彷徨するものの...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...町のなかを彷徨する奇怪な鳩の噂が擴がつて行く間に...
堀辰雄 「羽ばたき」
...あの青年は二つの彷徨する世界で一方的な一邊倒な情熱を持ち...
吉川英治 「折々の記」
...居住地区全部を彷徨することが認められ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...『僕が息を止めている間に様々な幻の世界を彷徨するというとさも大嘘のように思うだろうがまあ聞いてくれ給え...
蘭郁二郎 「息を止める男」
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