...(以下十九行省略――編者)井上信子、鳳吉、龍子、鶴子等遺族の諸氏を初めとして、遠くは大阪の岸本水府、近江砂人、白河の大谷五花村、石川の鶴彬、……(以下略――編者)●宿題「影」井上信子選※銀星サイコロはちゃんと迷はず壷の闇(石川)鶴 彬昭和十年篇 一九三五年(二十六歳)◆昭和十年一月一日発行『川柳人』二六七号南葛の鼓動鶴 彬やっと食ふだけの労働街に魔窟の灯よひるのサイレンはあぶれた腹の庭に鳴る夜業の窓にしゃくな銀座の空明り埋立てのむごさをひしゃげたトロッコの廃線火をはらむ飢えと不平の歯車よ◆『詩精神』一月号・第二巻第一号鶴 彬☆さくら音頭で安い蚕の桑つんでゐる☆首を縊るさへ地主の持山である☆温泉へ寄るプランを立てて水害地視察!☆鼠泣きおぼえてありつく飯よ、白い飯!◆二月一日発行『川柳人』二六八号凶作地帯――渡辺順三におくる――鶴 彬涸れた乳房から飢饉を吸ふてゐる半作の稲刈らせて地主のラヂオ体操凶作を救へぬ仏を売り残してゐる食ふ口をへらすに飼猫から食べはじめ一粒も穫れぬに年貢の五割引◆二月一日発行『詩精神』二月号第二巻第二号労働街風景鶴 彬瓦斯タンク! 不平あつめてもりあがり明日の火をはらむ石炭がうづ高いベルトさへ我慢が切れた能率デー生命捨て売りに出て今日もあぶれ焼き殺されまい疲れへ殺気立って飛ぶ焼餅夜業の窓にしゃくな銀座の空明り◆三月一日発行『川柳人』二六九号レ、ミゼラブル鶴 彬鉱毒も食はねばならぬ坑のひるめし火達磨にして殺される石油工話にならぬ日給で吸はされる綿ほこり鉄あびて死ねば代りを募集する売物になる娘のきれいさを羨やまれ●高松川柳研究会句報(『川柳人』二六九号に掲載)研究吟 互選暁の曲譜を組んで闇にゐる彬ふるさとの飢饉年期がまたかさみ彬生き仏凡夫とおなじ臍をもち彬席題「飯」 岡田澄水選首馘りの噂不安な飯の味(人)彬飯櫃の底にばったり突きあたる(地)彬貧しさを知らず子供の喰ひ盛り(天)彬席題「絃」 岡田生一子選歓楽の唄のなかばに絃がきれ(一点)彬鳴り終へぬ絃のふるへに次の撥(ばち)(二点)彬張り替えが利かぬ生命の絃が鳴り(五点)彬席題「火」 鶴彬選烏鵲、都、丘児、都、狂人子、烏鵲、紅郎らの七作品を選んでいる...
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...「又、御先代よりの洋物流行(ようぶつばやり)、新学、実学が奨励されて以来、呪法の如きは、あるまじき妖術、御山行者の真似事、口寄巫女(くちよせみこ)に毛の生えたものと――就中(なかんずく)、斉彬公、並にその下々の人々の如きは――」「じゃによって、呪法の力を人々に、示そうと申すのか」「よい時期と、心得まする...
直木三十五 「南国太平記」
...何をいっても、斉彬の方が、遥かに上であった...
直木三十五 「南国太平記」
...熱心に斉彬の顔を凝視して...
直木三十五 「南国太平記」
...斉彬が、頷くと「お国許より、急使でござります」「通せ」「書状を、持参致しましたが――」斉彬が、手を出すと、庭番は、廊下から、手を延した...
直木三十五 「南国太平記」
...間男ぐらい」「斉彬の真意は判らぬが...
直木三十五 「南国太平記」
...斉彬の西洋学文に傾くのを見て...
直木三十五 「南国太平記」
...人間の霊妙心が強いか――斉彬を呪殺することは...
直木三十五 「南国太平記」
...あはははは」斉彬の居間へ近づくに従って...
直木三十五 「南国太平記」
...斉彬が居るらしく...
直木三十五 「南国太平記」
...斉彬を呪っているように思われた...
直木三十五 「南国太平記」
...「如何でござります」斉彬は...
直木三十五 「南国太平記」
...斉彬を呪咀する一点に...
直木三十五 「南国太平記」
...だが、将曹は、それに対して(何か、肚に一物があるのであろう)と、いろいろのことを考えて、十分に警戒をしていたが、それからすぐに続いて来た病の床ででも、斉彬は、何一つ、将曹に対して、その罪を責めるらしい言葉を洩らしはしなかった...
直木三十五 「南国太平記」
...斉彬の死を聞くと共に...
直木三十五 「南国太平記」
...坊主の足早に持って来た褥を敷いて「斉彬を奉じて...
直木三十五 「南国太平記」
...斉彬公の研究者は多数あることと思うが...
中谷宇吉郎 「島津斉彬公」
...知事の時文彬(じぶんぴん)は仰天した...
吉川英治 「新・水滸伝」
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