...女郎花(おみなえし)などの褄(つま)や袖口の彩りと申し...
芥川龍之介 「邪宗門」
...虹のごとき光彩を与えられていた...
芥川龍之介 「路上」
...或いはまだ鮮血を胸から顔から一杯に彩(いろど)ったすさまじい六条の姿に怖(お)じ気(け)をふるった結果かもしれなかった...
海野十三 「空中漂流一週間」
...そこの鴨居のうへにあつた油彩...
小穴隆一 「二つの繪」
...色彩の配合を見ようとして...
薄田泣菫 「西大寺の伎藝天女」
...新しい不可思議な色彩が君のまえにある...
谷譲次 「踊る地平線」
...調度器具の類にも色彩の見るべきものが甚だ少い...
津田左右吉 「偶言」
...なるほどそう言われてみると自分のかいた顔は普通の油絵らしくなくて淡彩の日本画のように白っぽいものである...
寺田寅彦 「自画像」
...一握の卓布の面の上にでも矢張りこれだけの色彩の錯綜が認められるのであらう...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...昔の織物は厚を地として別に五彩の絲でそれに文樣を織る...
内藤湖南 「染織に關する文獻の研究」
...いわんや今では彩牋堂なるその家は在(あ)っても住むものなくヨウさんは再びその名を用ゆる折がなくなってしまったのである...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...専らその色彩の調和に存す...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...ことにその彩色が――彩色のうち...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんな生彩を帯びることもあるのかと思われるほど...
久生十蘭 「ノア」
...ダイヤモンド格子の明層窓(あかりまど)には彩色硝子(ステンドグラス)が嵌(はま)っているというぐあいですが...
久生十蘭 「ハムレット」
...光彩ある歴史の中でも...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...全山を水晶宮(きゆう)とし其れに五彩の珠玉を綴つたとも謂(い)ふべき壮観であつた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...凡(およ)そ浮かれ男の眼にはそれがアラビア海のマラバル岬に鮮かな赤更紗の虹がうき出たように濃い色彩を着けたことは勿論だがまた彼女が短いスカートから現した近代的な武装を解除した両脚にはいた棕櫚(しゅろ)の葉で作ったような靴下の野性的な蠱惑(こわく)の中から浮かれ男の思いもよらぬ数々の女の生命が幻燈のように現れてくるのだ...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
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