...拙者は海外を実地踏査して行政上の意見を当路者(たうろしや)に呈出しやうと思つたですが...
内田魯庵 「犬物語」
...当路者が気付くよりも新聞社の方が耳が早かった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...当路の人にもよくこれを聴かしておかなければならない...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...正造たちの鉱毒運動や被害民に対する当路の態度が一変してきた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...政府の当路の人たちは夙(つと)に海外の文明を視察して来ておって...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...王はそれを出して当路(とうろ)の者に賄賂に贈ろうとしていた...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「小翠」
...然るに此豊饒なる一美村ハ之を羨望するものゝ私慾を恣にせんがために当路の有司をして陰険なる策略を弄せしむるに至り...
田中正造 「非常歎願書」
...支那の当路へ軍器を売り込もうとして...
徳田秋声 「仮装人物」
...故に和は当路者胸中に秘して...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...当路に立てば処士横議(しょしおうぎ)はたしかに厄介なものであろう...
徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
...之は当路者に取っては願ったり叶ったりな筈だ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...つまり、わしが時代の生犠となって、それが、人民の、当路の、目を醒ましてくれればよい...
直木三十五 「南国太平記」
...今当路(とうろ)の吏大本教を禁ぜんとするの心よく韓愈の如く松平豆州の如くならば何ぞ其の措置の如何を問わんや...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...道は踏みかためられて当路の要衝となっている...
本庄陸男 「石狩川」
...保はまた当路者に諮(はか)った...
森鴎外 「渋江抽斎」
...当路の大官に愬(うつた)へた...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...勘定奉行の当路者(とうろしゃ)として...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...彼が一度連判状を握るや、これを材料(たね)にして盛(さかん)に暗(やみ)から暗へ辛辣な手を延ばして、大金を強請(ゆす)り取り、ついには閣員を脅迫して代議士になりすまし、当路の大官、醜代議士連の弱点を押えては私利私欲を恣(ほしいまま)にしているが、当事者もこの一個の怪物をいかんともする事が出来ず、毛を吹いて疵を求むる底の事を為すよりは、唯々諾々として怪兇の命にこれ従うより外(ほか)はないのであった...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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