...――彼は当てのない呪いの言葉を口走った...
海野十三 「火葬国風景」
...当てのない探し物故仲々目的を達しなかった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...当てのない旅に出...
高見順 「如何なる星の下に」
...何ひとつ生きる目当てのない人だ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...まるで雲を掴(つか)むような当てのないことであるが...
近松秋江 「狂乱」
...当てのないことでも...
近松秋江 「狂乱」
...ほとんど当てのない海中へ...
中里介山 「大菩薩峠」
...平次は六兵衛の当てのない忿怒(ふんぬ)を見捨て...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私の当てのない貞操は守らなきゃならない」「――――」それは恐ろしい矛盾でした...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...そこにあるものは恰も霧、この手で掴もうと思うても掴みどころのない霧ですね、靄、霧を相手に格闘しているような、渾沌とした、目当てのない、intellectual disturbance ――知的混乱、――なんかこうもやもやしている...
深瀬基寛 「悦しき知識」
...たとえ貧しくてお金の当てのないときも...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...自分の手紙につきまとった或る当てのない痛心や卑屈さやについて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...切りぬける当てのない貧困に追われ続けて...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...お蝶は足のつま先に物欲しい目を落としながら当てのない心を抱いて歩きました...
吉川英治 「江戸三国志」
...当てのない望みに疲れ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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