...第三に稀薄にして本能の強健を缺くのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...その強健な、物を物ともしない姿は夏の朝の気分としっくりそぐって見えたばかりでなく、その日に限って葉子は絵島丸の中で語り合った倉地を見いだしたように思って、その寛濶(かんかつ)な様子がなつかしくのみながめられた...
有島武郎 「或る女」
...もう尋常を卒業するのも間も無い昨今の年になつて余程強健になつた...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...若し人間が真に永遠不滅な絶対統一的な強健な自我を持っているならこんなことはない筈である...
辻潤 「錯覚自我説」
...強健な芸術家や無拘束な思想家が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...丸っこい強健な腕...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...二十五歳のこの強健な鋭敏な男は...
豊島与志雄 「秦の出発」
...吾々は各方面に強健な構想力を持つであろう...
豊島与志雄 「文学に於ける構想力」
...おのが身の強健に堪へざる如く汗かけり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...これを強健にするためには解放しなければならない...
中里介山 「大菩薩峠」
...それでも彼(かれ)の強健(きやうけん)な鍛練(たんれん)された腕(うで)は定(さだ)められた一人分(にんぶん)の仕事(しごと)を果(はた)すのは日(ひ)が稍(やゝ)傾(かたぶ)いてからでも強(あなが)ち難事(なんじ)ではないのであつた...
長塚節 「土」
...病氣(びやうき)は暫(しばら)くして忘(わす)れたやうに其(そ)の強健(きやうけん)な身體(からだ)の何處(どこ)にか潜伏(せんぷく)して畢(しま)つた...
長塚節 「土」
...人間にも、学業は優秀、品行は方正、身体は強健、人附合いは満点、何一つ欠点のない男で、唯面白くはない、という人もある...
中谷宇吉郎 「面白味」
...まだ二十臺の強健な清太郎を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...言はば室生は文明人の繊細な皮膚と野蛮人の強健な心臓とをもつて生れた...
萩原朔太郎 「愛の詩集」
...その状(ありさま)が最も強健勇壮です...
牧野富太郎 「植物記」
...また雄松は幹の膚黒みて強健なれば男の勇敢豪壮を表わし...
牧野富太郎 「植物記」
...強健(きょうけん)な子供を欲(ほ)しいと思えば...
牧野富太郎 「植物知識」
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