...日の当らぬ部分にはゼニ苔がべったりとはびこっていた...
梅崎春生 「狂い凧」
...老人は畝(あぜ)へべったりと坐りこんで...
田中貢太郎 「虎杖採り」
...そそうのないように」青年はそれを聞くとそのままそこへべったりと這いつくばってしまった...
田中貢太郎 「賈后と小吏」
...為作はまたべったりと頭を地べたにつけた...
田中貢太郎 「放生津物語」
...べったりと紙を貼られておしまいになってから...
中里介山 「大菩薩峠」
...その掌に一杯墨を塗ってべったりと押して...
中谷宇吉郎 「由布院行」
...頭髪をべったりと頭蓋骨にはりつけた...
久生十蘭 「金狼」
...水からでもあがったようにべったりと髪を頭に貼りつけ...
久生十蘭 「ノア」
...べったりと畳の上に置く...
久生十蘭 「魔都」
...顔はべったりと黒い血にまみれていた...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...疲れた人夫らは湿った砂にべったりと腰をおろして背負繩(しょいなわ)をずらした...
本庄陸男 「石狩川」
...アヤメの花がべったりと...
本庄陸男 「石狩川」
...白い寝巻を着たみのりがべったりと床に坐(すわ)っていた...
松本泰 「宝石の序曲」
...霧も深く降っていて空気の湿(しめ)っぽいのに車の簾(すだれ)を上げさせてあったから源氏の袖(そで)もそのうちべったりと濡(ぬ)れてしまった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...紙屑がべったりと貼りついたまま乾いて...
山川方夫 「昼の花火」
...そのまま又べったりと長くなってしまった...
夢野久作 「暗黒公使」
...彼は疲労で背中がべったりと板にへばりついたように感じた...
横光利一 「比叡」
...ただもうべったりと甲板にしがみついているのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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