...此等のものが「己れ」を強めるの用をなすに過ぎないとき...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...葉子は何事を犠牲に供しても灼熱(しゃくねつ)した二人の間の執着を続けるばかりでなくさらに強める術(すべ)を見いだそうとした...
有島武郎 「或る女」
...立てた誓を力強めるためにささげた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...またその権威を次第に強めることにもなったので...
津田左右吉 「建国の事情と万世一系の思想」
...主役をつとめるノバリーク兄弟とその敵役(かたきやく)ショーンブルクの相貌(そうぼう)もこの一種特別な感じを強めるもののように思われた...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...そして一九三七年度はこの傾向を益々強めるに相違ない...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...たゞそれらの忠告者に対する私の軽蔑の念を強めるに役立つにすぎなかつたのだ...
富永太郎 「美しき敵」
...「あなたのお名前を掲示したゞけでも何(ど)れ程學校の信用を強めるか知れないです...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...この森の感じを一層強めるものは...
中谷宇吉郎 「ウィネッカの秋」
...ソ聯は國力を強めるために...
中谷宇吉郎 「冬ごもり」
...それの確實性を強めるに役立ち得るであらう...
波多野精一 「時と永遠」
...その優勢な感情を強めるあらゆるものごとをとても信じやすい...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...二人にとつて不利な疑惑を強めることになるでせう...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...不快の度を強めるばかりだつた...
牧野信一 「或る日の運動」
...敢えて「民藝」の声を強めるのである...
柳宗悦 「工藝の道」
...これが将来の日本工藝の力を強める一つの原動力ともならなければならないと考えるのであります...
柳宗悦 「台湾の民藝について」
...強める目的しかもっていなかったと思う...
柳田国男 「年中行事覚書」
...悲調を強めるものでしかなく...
吉川英治 「新・水滸伝」
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