...唯、こゝに同郡羽鳥に住む老人の一人の甥、茶の木原に住む、其の從弟を誘ひ、素裸に腹帶を緊めて、途中川二つ渡つて、伯父夫婦を見舞に來た、宿に着いたのは眞夜中二時だ、と聞くさへ、其の膽勇殆ど人間の類でない、が、暴風強雨如法の大闇黒中、かの二谷を呑むだ峯の上を、見るも大なる炬火廿ばかり、烈烈として連り行くを仰いで、おなじ大暴風雨に處する村人の一行と知りながら、かゝればこそ、天狗道の稱が起つたのであると悟つて話したといふ、が、或は云ふ處のネルモの火か...
泉鏡花 「遺稿」
...……」と弟の死骸を指した...
海野十三 「恐怖の口笛」
...「これが弟月ですか...
海野十三 「洪水大陸を呑む」
...安本亀八に弟子入りしたこともある...
江戸川乱歩 「悪霊物語」
...三藏の父は竹刀を提(ひつさ)げて中國九州を武者修行につて廢藩後も道場を開いて子弟を教育したといふ武骨一片の老人で...
高濱虚子 「俳諧師」
...私と弟を仕合せにするために...
橘外男 「仁王門」
...ゆうべ国もとから弟が死んだと云う電報が這入(はい)ったもんですから...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...そうして私も兄弟互の通信をする事になった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...子弟を教育するその目的は...
新渡戸稲造 「教育の目的」
...芳年は大団扇で倒れた弟弟子の上を...
正岡容 「小説 圓朝」
...弟子は立ち上って申しました...
松永延造 「職工と微笑」
...また後漢の劉昆弟子常に五百余人あり...
南方熊楠 「十二支考」
...芭蕉の弟子の中でも...
柳田国男 「木綿以前の事」
...盛んに二人の兄弟を語っているのは...
柳田国男 「雪国の春」
...煮売屋(にうりや)を開いております私の弟の処へ立ち寄りまして「うちの若旦那を見かけなんだか」と問(たず)ねますと「おお……その若旦那なら...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...「やアやア搦手(からめて)がたの兄弟...
吉川英治 「神州天馬侠」
...「臭いとは?」「弟の...
吉川英治 「松のや露八」
...「いち度、お訪ねして、いろいろと、伺いたい事もあるし……」「ええ、どうぞ」「また、何かと、話したいこともあるが、実は、この間うち、脱藩した青砥弥助の口から、弟御へ、ちと、内密を洩らしてあるので、一角が、訪ねては」「丈八郎ならば、この頃は、相役が病気なので、たいがいな夜はおりませぬ...
吉川英治 「無宿人国記」
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