...剛(こわ)い毛に半ば埋(うも)れるように鼻孔がこの辺のこなしを引締めている...
高村光太郎 「木彫ウソを作った時」
...漠としている記憶をノートの文字(もんじ)によって引締める意識以外に自己も時の観念もなかった...
田中貢太郎 「雀が森の怪異」
...きっと引締められた...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...その顔をすぐに引締めた...
豊島与志雄 「月かげ」
...大手を拡げて「止まれえ」「何故止める」馬の手綱を引締めて...
直木三十五 「近藤勇と科学」
...遊女は頤(おとがい)の下に読みさしの書物を挟(はさ)みつつその帯を前にて結び町家(ちょうか)の女は反対に両手を後(うしろ)に廻(まわ)して帯を引締めんとせり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...今これら歌麿が美女の長く身にまとひたる衣服の着様(きざま)を見るに腰と腿のあたりにて宛(さなが)ら延板(のべいた)を当(あて)たる如くに狭く堅く引締められ下の方に行くに従ひて次第に寛(ゆる)く足元に至りて水の如くに流れ渦巻(うずま)きたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...帯も極めて無雑作(むぞうさ)に引締めて...
中里介山 「大菩薩峠」
...長い顏を引締めて少し屹となります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...長(なんが)い顔を引締めて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...涼しい風が寝不足の肌を引締めて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...包囲網を引締めて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...次第々々に攻め手を引締めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...飮み屋から、馬でも曳(ひ)いて來たんぢやあるめえな」それでも八五郎は、帶引締めて、十手を腰に、薄寒い師走の往來に飛び出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...若い婦人に手綱を引締める手伝いをしてやった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...下の佛の彫りを引締めてゐる...
室生犀星 「京洛日記」
...庭は四方の均整を引締めるために...
室生犀星 「庭をつくる人」
...その運動の終りにぐんと身をのりだして緩みを引締め...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
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