...排悶の為めに精神を引立てる書を選んで読むものが多い...
市島春城 「読書八境」
...口で求めず手で引立てる奈々子の要求に少しも逆ふことは出來ない...
伊藤左千夫 「奈々子」
...三唖は紅葉に引立てられたのだから...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...ここへ引立ててこい」チェリーを一服(ぷく)喫(す)っているところへ...
海野十三 「一九五〇年の殺人」
...同じ閣員の花形俳優(やくしや)を引立てるやうにしたら...
薄田泣菫 「茶話」
...裸体の閻魔を物も云はせねえで引立て行つてしまつたんだ相だ...
相馬泰三 「野の哄笑」
...引立てられ鞭たれながら...
徳田秋聲 「水ぎわの家」
...」金田は一人の年若い芸妓を彼の側に引立てました...
豊島与志雄 「画舫」
...強(し)いて気を引立てようとするが...
中里介山 「大菩薩峠」
...心を引立て思ひ直し...
野口米次郎 「能楽論」
...スックと立上がると、「親分さん、待って下さい、それは、違う」怪我人の左孝が重態の床から乗出すのにさえ目もくれず、お駒を引立てて、風のごとく部屋の外へ出ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...曲者を向う角の辻行燈(つじあんどん)のところまで引立てまゝした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少し訊き度いことがある」「へエ」間もなく八五郎に引立てられて來たのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...時三郎に繩を打つて引立てると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...泰三さんが引立て役になったから泰助さんが幾らかましにみえてきただけよ...
山本周五郎 「思い違い物語」
...引立てながらどこかへ連れて行く様子である...
夢野久作 「戦場」
...また陣中では千寿王をお引立て給わるなどお礼のことばもございませぬ」どこまで...
吉川英治 「私本太平記」
...どうかお引立てをおねがいいたします」お喜代は...
吉川英治 「松のや露八」
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