...其間の急勾配を登ることになるのであるから今迄に引替えて苦しくなって来た...
高浜虚子 「富士登山」
...それに引替え、三万円の貯金と、バラックながら二軒の家持ちの桂子、私は子供の頃、ひとから(おまんこ倉)と綽名(あだな)される、美貌の未亡人の白塗りの倉を持った家が近くにあったのを思いだす...
田中英光 「野狐」
...「金瓶梅(きんぺいばい)」を書き引替えで稿料を持ってきてくれた雑誌社の金を全部渡す...
田中英光 「野狐」
...それに引替え私は寄宿舎の中にくすぶっていて...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...一椀の飯を尽されると共に一人の小姓は直に下って代りの汁椀を持って出てそれと引替える...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...槍と引替えに」「よし...
中里介山 「大菩薩峠」
...引替えの品は確かに頂戴した...
中里介山 「大菩薩峠」
...今直ぐに銭に引替え得る技術的学問である...
新渡戸稲造 「教育家の教育」
...取換引替え蓄えた妾の一人で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...偽の本国ドルと引替えに...
久生十蘭 「あなたも私も」
...のたうち廻ッて腸(はらわた)を噛断(かみちぎ)る……初の快さに引替えて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...観る者の心までが蒼(あお)く染りそうなに引替え...
二葉亭四迷 「浮雲」
...出た時の勢(いきおい)に引替えて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...第十九回お勢は一旦(いったん)は文三を仂(はした)なく辱(はずかし)めはしたものの、心にはさほどにも思わんか、その後はただ冷淡なばかりで、さして辛(つら)くも当らん※が、それに引替えて、お政はますます文三を憎んで、始終出て行けがしに待遇(もてな)す...
二葉亭四迷 「浮雲」
...同時に、支那は、食料品は莫大にあり領域は尨大なので、輸出と引替えに、生活資料が眼につくほど増すほどの分量を輸入することが出来ないということも、これと等しく明かである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...同時に支那は、食料品は莫大にあり領域は広大なので、輸出と引替えに、この国の生活資料の年貯蔵が眼につくほど増すほどの分量を輸入することが出来ないということも、これと等しく明かである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...または農業生産物と引替えに何か価値あるものを得たいという目的があるので...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...印税なれば初版一冊分をそっくり陶器と引替えに支払わなければならない...
室生犀星 「陶古の女人」
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