...」と引出して目に当てた襦袢(じゅばん)の袖の燃ゆる色も...
泉鏡花 「縁結び」
...皆の前に引出しの貝殻を拡げて甥達にその話しをしました...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...それを引出しては分けあって喰べたからである...
海野十三 「空中漂流一週間」
...室内のあらゆる戸棚(とだな)や引出しが乱雑に掻(か)き廻(まわ)され...
海野十三 「赤外線男」
...そこから自分の実践する道徳を引出して来るといふやうなところがあつた...
田山録弥 「紅葉山人訪問記」
...適当に仕切られた戸棚や引出しの中に選り分けられて...
寺田寅彦 「言語と道具」
...どうもただ楽器から美しい旋律や和絃を引出しているというだけの感じしかしない場合が多いようである...
寺田寅彦 「断片(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...「阿部が、一もなく、二もなく、斉彬を引出して、異国方の掛にしようと致しておる...
直木三十五 「南国太平記」
...引出した手には、山吹色の小判が二三十枚、そのいずれも、検印のない品ばかりではありませんか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...倅をここから引出したい様子ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...六ツばかりある引出しには...
長谷川時雨 「神田附木店」
...一番上の引出しには...
林芙美子 「クララ」
...あれ彼の懸け硯の引出しにも...
樋口一葉 「大つごもり」
...かねて見置きし硯の引出しより...
樋口一葉 「大つごもり」
...針箱の引出しの中に入れて見せなかったのにこればかりは...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...此時さつきの引出し調(しらべ)の時に緊張させてゐた神経が一時に弛んで...
森鴎外 「金貨」
...漸(ようや)くに引出したり...
柳田国男 「山の人生」
...滋野君は半月前(はんげつぜん)に買つた新しい自動車を会社の入口(いりくち)に引出して頻(しきり)に掃除して居た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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