...口で求めず手で引き立てる奈々子の要求に少しもさからうことはできない...
伊藤左千夫 「奈々子」
...軍治を引き立てるやうにして足早に歩き出したが...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...ちょうどそこへ山本氏の著書が現われて自分の手をとって引き立てるのであった...
寺田寅彦 「自画像」
...生徒の生涯(しょうがい)を貫ぬいてその魂を導き引き立てるような貴いありがたい影響はどこにもなくなるだろう...
寺田寅彦 「蓄音機」
...空気は人の心を引き立てるような具合で...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...もうどうなってもわたしは知らない」お銀様はお君の手を取って引き立てるようにし...
中里介山 「大菩薩峠」
...面白いものを引き立てるための道具として写します...
夏目漱石 「創作家の態度」
...これは善人を引き立てるためなんだから...
夏目漱石 「創作家の態度」
...水島君は互にふと滅入りかけた氣持を引き立てるやうに...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...妹のピアノを引き立てるために...
野村胡堂 「楽聖物語」
...(おなかを引摺るように引き立てる)徳之助 (妨げんとする)政吉 (この以前より...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...そうして私は気を引き立てるようにしてあの方と世間並みの挨拶などを交(か)わしているうちに...
堀辰雄 「楡の家」
...出来るだけ気を引き立てる様に気を引き立てる様にとはしながら別に立ち入った気持まで聞く様な事は仕ずに居た...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...また一方を引き立てるためには一方のことを極端に悪いことずくめに書く...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...大病人に荒い詞(ことば)を使って気を引き立てるなんというのは...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...氣力を引き立てるために自動車を乘り廻して出歩いてゐた...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...「ぐずぐずぬかすな!」秋三が安次の首筋を持って引き立てると...
横光利一 「南北」
...非常に引き立てるようにはたらいているであろう...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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