...口で求めず手で引き立てる奈々子の要求に少しもさからうことはできない...
伊藤左千夫 「奈々子」
...再び自分といふものを引き立てることが出來た...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...私は氣を引き立てるやうにさう言つたが...
鈴木三重吉 「金魚」
...地方(じかた)で舞を引き立てるように...
谷崎潤一郎 「細雪」
...その下手糞は却(かえ)ってナオミを引き立てることになるのですから...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...軍治を引き立てるやうにして足早に歩き出したが...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...」春次が引き立てるので...
徳田秋声 「縮図」
...もうどうなってもわたしは知らない」お銀様はお君の手を取って引き立てるようにし...
中里介山 「大菩薩峠」
...これは善人を引き立てるためなんだから...
夏目漱石 「創作家の態度」
...水島君は互にふと滅入りかけた氣持を引き立てるやうに...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...左右から清作を引き立てるのです...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...それを引き立てるやうな風采と態度を持つてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...女は又気を引き立てるようにして...
堀辰雄 「姨捨」
...ろう引きの黒布が天才的な彫刻家や建築家を引き立てるばかりだった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...もし飲みまひょいな」無理に今松を引き立てるようにして海老団治は...
正岡容 「寄席」
...出来るだけ気を引き立てる様に気を引き立てる様にとはしながら別に立ち入った気持まで聞く様な事は仕ずに居た...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...やっと気を引き立てるようにしてお居間へ行った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...大病人に荒い詞(ことば)を使って気を引き立てるなんというのは...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
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