...引き立ててくれた平民社の先輩達には今も心から感謝せずには居れません...
石川三四郎 「浪」
...あぐんでいる身体(からだ)を自分で引き立て...
岩野泡鳴 「耽溺」
...役人に引き立てられようとした彼は...
薄田泣菫 「茶話」
...萎(な)えたような心を我れから引き立てて行李(こうり)をしばったり書籍(ほん)をかたづけたりしながらそこらを見まわすと...
近松秋江 「うつり香」
...表を通る俥や人の足音に耳を引き立てているようであった...
徳田秋声 「足迹」
...空気は人の心を引き立てるような具合で...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...その襟髪(えりがみ)を取って引き立てたのは幸内であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...引き立てて来たのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...この茶屋の前を素通りしてグングンと引き立てられ...
中里介山 「大菩薩峠」
...容貌(ようぼう)の劣者として暗(あん)に従妹の器量を引き立てるためではなかったろうか」お延の頭に石火(せっか)のようなこの暗示が閃(ひら)めいた時...
夏目漱石 「明暗」
...お前に煮湯を飲ませた圓太なんかを引き立てて……そのまた圓太に面目ないよ...
正岡容 「小説 圓朝」
...巨額を投じてこの人を引き立てた...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...やきものの白いところのつやを引き立て...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...は!(沈みこんで行きそうな自分の気を引き立てるように...
三好十郎 「樹氷」
...顔をことさら引き立てているように見えた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...矢代は引き立てるようにして水際の方を覗きつつ歩いたが...
横光利一 「旅愁」
...検束されたものがそれぞれ引き立てられ空虚になったが...
横光利一 「旅愁」
...ガニマールは曲者を判事の前に引き立てた...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
便利!手書き漢字入力検索