...一つは橄欖色(オリイブ)の緒の色が引き立つてゐた...
石川啄木 「道」
...気の引き立つほどにぎやかになった...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...「かうして見ますと画がまた引き立つて来たやうな気がいたしますね...
鈴木三重吉 「桑の実」
...軸も座敷も俄かに引き立つ場合がある...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...厚化粧をすると実に引き立つ顔で...
谷崎潤一郎 「細雪」
...こう云う場所でナオミがどれほど引き立つか...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...気の引き立つようなことを云っておくれ...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...襟捲きに引き立つその姿が...
徳田秋声 「爛」
...マルセイユ風の強い調子でいっそう引き立つ快弁をそなえていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...然し主人公が田舍言葉でやつつけたら下女や何かの田舍言葉が引き立つまい...
夏目漱石 「鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年」
...その筆法は常に婦人の気を引き立つるの勢いを催して...
福沢諭吉 「日本男子論」
...それが捲毛の眞黒な房(ふさ)によく引き立つてゐました...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...すなわちその意見と言うのは第一は先輩は後輩を引き立つべき義務のある事...
牧野富太郎 「植物記」
...すなわちその意見というのは第一は先輩は後輩を引き立つべき義務のある事...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...それにもかかはらず余は今少しはでに修飾したらば一層も二層も引き立つて見えるであらうと思ふ...
正岡子規 「病牀六尺」
...何となく気が引き立つてゐる...
森鴎外 「追儺」
...とにかくこの敗軍の体を見ればいとど心も引き立つわ」「引き立つわ、引き立つわ、糸のように引き立つわ...
山田美妙 「武蔵野」
...唯(た)だ一人(ひとり)あの若い詩人がゐて今日(けふ)の会は引き立つ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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