...――六蔵は投遣(なげや)りに振った笠を手許(てもと)に引いて...
泉鏡花 「浮舟」
...いやな後味を引いて私の胸に残っている...
梅崎春生 「桜島」
...押しても引いても開かなくなってしまう仕掛けがしてあるのだ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...外を金魚売が長い声を引いて通る...
鈴木三重吉 「桑の実」
...『空を飛ぶ光り物』は暗の夜に不氣味な光りが尾を引いて飛んでゐる繪...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...ズドンと引き金を引いて...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...筑波根(つくばね)の根を引いているわけでもなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここから直線を引いてみたとて十五里とはないでしょう――そこで二里三里と進んで...
中里介山 「大菩薩峠」
...お雪ちゃんはその活きた地図に線を引いていたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...私はすぐ首を引いて...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...一刀をうしろに引いて...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...刀を引いて引揚げるのが本当です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親分はこのつまらねえ仕事から手を引いてはくれまいか」「――」「タダじゃないよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...傍らに椅子を引いて...
牧逸馬 「双面獣」
...夕日が庭木の影を長々と運動場に引いてゐる頃...
槇本楠郎 「先生と生徒」
...『類函』に『伝異志』を引いて唐の天宝中河南氏(こうし)県仙鶴観毎年九月二日の夜道士一人天に登るといって戸を締む...
南方熊楠 「十二支考」
...(c)ヌミディアの兵士たちは替えの馬を引いて行って...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...少なくとも当代にもなお跡を引いている不審であることを明らかにしたならば...
柳田國男 「垣内の話」
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