...実際形影相弔うというその影も...
泉鏡花 「婦系図」
...本石町と馬喰町とに焼け跡を弔うてやりたい書肆のあることを思いだしたので...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...たゞもう後生(ごしょう)を弔うて上げたい一念ばかりでござります...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...只今にも出家して主君の菩提(ぼだい)を弔うであろうものを...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...終末の幕切れに教授の死を弔う学生の「アーメン」にいたっては...
寺田寅彦 「自由画稿」
...懇(ねんごろ)に弔うて遣り玉え」墓守は斯く其の若者に云うた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...兄弟打連れて駿州(すんしゅう)竜華寺(りゅうげじ)に樗牛の墓を弔うたりした...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...不運を憐れみ菩提(ぼだい)を弔う慈悲ある敵もあらず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...亡親の菩提(ぼだい)すら弔うあたわざるものありたればなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...この上は諸士の後生を、よく弔うのが、何よりの務じゃ...
直木三十五 「寺坂吉右衛門の逃亡」
...その時でさえすでに現代から懸け離れた一種の古戦場でも弔うような気持があった...
野上豊一郎 「ヴェルダン」
...亡妻(かかあ)の菩提(ぼだい)を弔うため...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...古戦場を弔うような感想を生じてその一軒に入り...
南方熊楠 「十二支考」
...後またその訛(あやま)りを知って池水を手向け霊魂を弔う...
南方熊楠 「十二支考」
...私の母の悲しみ苦しみを弔うためには...
室生犀星 「幼年時代」
...喪を弔うの使いではなく...
吉川英治 「三国志」
...幾多の昨夢(さくむ)や千魂(せんこん)を弔うごとく燃えつづけていたが...
吉川英治 「新書太閤記」
...――風流平家の没落の跡を弔うだに...
吉川英治 「随筆 新平家」
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