...平家の落武者を弔いに行って...
伊波普猷 「土塊石片録」
...私は二十六歳の母の胎内で父の弔いを見送りました...
上村松園 「今日になるまで」
...どうかすると寒の雨降る夜中ごろにみかん箱のようなものに赤ん坊のなきがらを収めたさびしいお弔いが来たりした...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...念仏の声洋々たるは何の弔いか...
寺田寅彦 「半日ある記」
...お弔いは千円とか千五百円とか...
徳田秋声 「縮図」
...戦友の弔い合戦をするようなものだから...
野上豊一郎 「闘牛」
...あの水槽の中に飛込む時と同じ、赤い腰巻のままを、も一度キリキリと縛り上げ、予(かね)て用意したらしい石の重りをつけると、「この中で存分にもがけ、お松の弔いだ、俺はお前が死ぬまで見物してやる」サッとお村の身体を、水槽の中へ投げ込むと、一度床の上に立てた蝋燭を取って、頭の上へ高々とかかげました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...野次馬を叱り飛ばした自分が、ツイ弔い心で、半分ほど隠したお柳の美しい死骸に目礼したのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...死後の弔いをしてくださるとの仰せ...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...成湯(せいとう)の徳は禽獣に及びこの女将の仁は蛙を霑(うる)おすと評判で大挙して弔いに往ったは事実一抔啖(くわ)されたので...
南方熊楠 「十二支考」
...年々殺獲する猴の弔いに室女を捧げてその霊を慰める義理立てにも当るようだ...
南方熊楠 「十二支考」
...問い弔いを官営として坊主どもを乾(ほ)し上げ...
南方熊楠 「十二支考」
...この虫盛んな年は大勢松明(たいまつ)行列して実盛様の御弔いと唱え送り出す...
南方熊楠 「十二支考」
...帰京ができた今日になってその御菩提(ごぼだい)を早く弔いたいと仕度(したく)をしていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...七日七日の法要にも尊いことを多くして志の深い弔いを故人のために怠らぬ源中納言も...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...慶月院の死を弔いにゆけなかったのはやむを得ないが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...弔い合戦を決意した郷兵軍が...
吉川英治 「三国志」
...飽くまで往年の業火(ごうか)のあとを弔い...
吉川英治 「新書太閤記」
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