...「ちょっと待って弁慶蟹(べんけいがに)を踏みつけそうで歩けやしませんわ」そう葉子は申しわけらしくいって幾度か足をとめた...
有島武郎 「或る女」
...また弁慶蟹(がに)のうざうざいる砂道を浜のほうに降りて行った...
有島武郎 「或る女」
...弁慶蟹(べんけいがに)のように顔を真赤にして...
海野十三 「火星探険」
...まるで弁慶蟹(べんけいがに)のように真赤な顔をし...
海野十三 「蠅男」
...「弁慶蟹……あの赤い小さなやつ...
豊島与志雄 「波多野邸」
...――あの弁慶蟹は実にばかな奴だ...
豊島与志雄 「波多野邸」
...井野格三郎老人の弁慶蟹の話も思い出された...
豊島与志雄 「非情の愛」
...――弁慶蟹をつかまえ...
豊島与志雄 「非情の愛」
...ときどき色のうすい弁慶蟹が目をうごかしながらじわじわとはいあるく...
中勘助 「妹の死」
...路ばたの垣根のあひだから美しい弁慶蟹が出てきては俥の響に驚いて逃げこむのをほしいと思つて横目にみながらゆくうちに海岸へでた...
中勘助 「銀の匙」
...石垣の隙間からは弁慶蟹(べんけいがに)がよく鋏(はさみ)を出した...
夏目漱石 「道草」
...弁慶蟹(べんけいがに)ね...
長谷川時雨 「流れた唾き」
...つくばいの吸込みの小さな穴へもぐってしまった弁慶蟹の子が...
長谷川時雨 「流れた唾き」
...高田郡兵衛半弓赤い弁慶蟹(べんけいがに)が一匹...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...楓の根がたの青苔のうへをば小さい弁慶蟹の子が二疋で...
若山牧水 「なまけ者と雨」
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