...右から左に弁ずる筈を...
泉鏡花 「浮舟」
...人ようやく長じて是非善悪を弁ずるに至り洗礼を挙行す...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...寸分も眷属親戚の手を煩わさずして弁ずることを得るなり...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...僅かに昼夜を弁ずるのみなれば詮方(せんかた)なくて机を退け筆を投げ捨てて嘆息の余りに「ながらふるかひこそなけれ見えずなりし書巻川(ふみまきがは)に猶わたる世は」と詠じたという一節がある...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...それらの経費を弁ずるために...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...そして一年に約六週間はたらくことによって生活のすべての費用を弁ずることができるのを発見した...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...英語だけで立派に日常の用が弁ずるのに...
谷譲次 「踊る地平線」
...実にかのウェストミンスターの幽欝(ゆううつ)なる積土の中に沈黙したる一個の死人はかえって議院壁内に起ちて扼腕(やくわん)撃節多々ますます弁ずるの衆多の生人よりも氏が進路を防障するものといわざるべからず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...考え考え三郎兵衛のために弁ずるのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いやまた唐(から)の車は一輪で用を弁ずるがごとく...
久生十蘭 「玉取物語」
...弁ずる所の首尾全うして他人の嘲(あざけり)を避ける位の心掛けは...
福沢諭吉 「女大学評論」
...けだし小児の智識いまだ発生せずして汚潔を弁ずること能(あた)わざる者に異ならず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...さらに出納の実際に心配なくして事を弁ずること...
福沢諭吉 「学問の独立」
...カンザクラの苗木をまずおよそ千本くらい(なおたくさんあれば多々ますます弁ずる)用意して...
牧野富太郎 「寒桜の話」
...書画や骨董(こっとう)の鑑定に長じて千年以前の物も立(たち)どころに真偽を弁ずると威張(いば)る人が毎日上海玉子(しゃんはいたまご)の腐りかかったのを食べさせられても平気でいる世中(よのなか)だもの...
村井弦斎 「食道楽」
...学資は弘前藩から送って来る五人扶持の中(うち)三人扶持を売って弁ずることが出来た...
森鴎外 「渋江抽斎」
...これも毎年その月に祭典を営む社があってその日の費用を弁ずるために設けられた田の所在である...
柳田國男 「地名の研究」
...一切の用事は電話で弁ずる...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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