...就中(なかんずく)、独逸文学者酒井俊蔵先生の令嬢に対して、身の程も弁えず、無礼を仕(つかまつ)りました申訳が無い、とお詫びなさい...
泉鏡花 「婦系図」
...」お常はくらくらとして前後の弁えもなくなりそうになったが...
犬田卯 「米」
...陛下が宸襟をなやましたもう国家存亡の場合を弁えず...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...彼らはよく弁えていた...
辰野隆 「芸術統制是非」
...飾窓本来の意味を弁えていない...
直木三十五 「大阪を歩く」
...飾窓の装飾を弁えていると同時に...
直木三十五 「大阪を歩く」
...病の上下も弁えぬのか」といきられ...
久生十蘭 「玉取物語」
...又人の誹るべき事をも弁えず...
福沢諭吉 「女大学評論」
...仁義礼智信の五徳を弁えて...
藤野古白 藤井英男訳 「戦争」
...何故に弁えもせず松王殿の難儀に替わってやろうというのか...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...この者ら誠に畜生で作法を弁えぬと言うと...
南方熊楠 「十二支考」
...或は良人と自身との画境をはっきり弁えて自力の成熟をしようと心がけている若い少数の婦人画家たちは...
宮本百合子 「くちなし」
...繍そのものの質を弁えぬも甚だしい...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...場所がらをも弁えず...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...人いちばい自分の激発が呼ぶ結果もよく弁えていた...
吉川英治 「源頼朝」
...よく勝手を弁えているというので...
吉川英治 「源頼朝」
...余りにも兵法の弁えがなさすぎる...
吉川英治 「源頼朝」
...ほんとの愛というものを弁えろと言ったところで...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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