...「何時(いつ)建て増しをしたのです」と聞いたら...
高浜虚子 「別府温泉」
...この八畳の日本間はその時建て増したのであるが...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...部屋は新らしく建て増した庫裡の一部で...
谷崎潤一郎 「秘密」
...伯母のために離れを建て増したり...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...刑務所も超満員で建て増しが緊急に必要だそうだが...
戸坂潤 「社会時評」
...建て増しのために...
豊島与志雄 「霊感」
...料理場は後(あと)から建て増したものらしく...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...このごろ一室を建て増した食堂兼客室であり...
中里介山 「大菩薩峠」
...現に電燈会社の挙動が癪(しゃく)にさわるから弥之助の植民地では電燈の数を殖やさないで新たに建て増した成進寮というのではすべて今でもこの石油ラムプを使って居る...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...これは近頃になって建て増した西洋作りで...
夏目漱石 「それから」
...縁側の先へ継ぎ足したように建て増してあります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...挨拶もそこ/\店の裏の方に建て増した庵平太郎の部屋へ行つて見ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...すこしずつ建て増しして...
火野葦平 「花と龍」
...新しい倉庫の建て増しまでおさせになって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...奥蔵を建て増し、地所を買い添えて、山城河岸を代表する富家にしたのはこの伊兵衛である...
森鴎外 「細木香以」
...あとになってだんだん奥の方へ建て増していったものではないかと思い込んでいた...
柳田国男 「故郷七十年」
...うちの建て増しをした...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...いくらでも兵舎や厩(うまや)の建て増しはきく...
吉川英治 「私本太平記」
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