...九 破廂泰助は昼来て要害を見知りたれば...
泉鏡花 「活人形」
...夕陽は深く廂に射込んで...
伊東静雄 「詩集夏花」
...変電所の壁を通って向いの家の廂(ひさし)へ渡り...
海野十三 「白蛇の死」
...彼廂此廂(あなたこなた)...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...心持廂髪を大きく取つてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...杜松(ひば)などの植わった廂合(ひさしあ)いの狭いところへ入って...
徳田秋声 「黴」
...トタン廂を踏みしめる足音は重く...
外村繁 「日を愛しむ」
...鳥打帽の廂(ひさし)を跨(また)いで...
夏目漱石 「坑夫」
...廂の上から銭形平次が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...納屋の物置の廂合(ひさしあ)いの下に来た...
夢野久作 「笑う唖女」
...ここは時宗寺(じしゅうでら)の蓮華寺(れんげじ)の地域らしく、堂の廂には、一向堂(いっこうどう)の額(がく)がみえる...
吉川英治 「私本太平記」
...清涼殿(せいりょうでん)の南の廂(ひさし)にあたるところである...
吉川英治 「私本太平記」
...千本廂(びさし)につってある瓔珞(ようらく)に身をのばして...
吉川英治 「神州天馬侠」
...板廂(いたびさし)から剣のような氷柱(つらら)が垂れている寒空の冴えた夜半だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...廂(ひさし)ごしに空を見ていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...鉢巻廂(はちまきびさし)の眉深(まぶか)な陰から...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...草庵の廂(ひさし)から夕雲をながめて...
吉川英治 「親鸞」
...両側とも廂(ひさし)へまで届きそうな雪の山だった...
吉川英治 「源頼朝」
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