...廂は縦に、壁は横に、今も屋台は浮き沈み、危(あやう)く掘立(ほったて)の、柱々、放れ放(ばな)れに傾いているのを、渠(かれ)は何心なく見て過ぎた...
泉鏡花 「悪獣篇」
...」と廂(ひさし)の夕日に手を上げて...
泉鏡花 「悪獣篇」
...水晶の廂(ひさし)であろう...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...あたりの低い廂(ひさし)をもった長家の上に超然と聳(そび)えていた...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...廂の出張った店があって...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...左右(さいう)から濁水(だくすゐ)を挟(さしはさ)んで互にその傾いた廂(ひさし)を向ひ合せてゐる...
永井荷風 「水 附渡船」
...廂(ひさし)深き兜(かぶと)の奥より...
夏目漱石 「薤露行」
...今夜のうちにも廂(ひさし)を突き破って...
夏目漱石 「草枕」
...日頃(ひごろ)からなる廂(ひさし)に遮(さえ)ぎられて...
夏目漱石 「虞美人草」
...廂の上から銭形平次が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...防水布の廂(ひさし)の突き出たスウェエデン式の水夫帽を...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...宿る所がなく身を休めていた観音堂の廂(ひさし)の下で...
吉川英治 「江戸三国志」
...小御所の控え廂(びさし)に...
吉川英治 「私本太平記」
...廂(ひさし)の雨だれが打ちたたいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...断金亭の大廂(おおびさし)のまえには...
吉川英治 「新・水滸伝」
...館(やかた)の廂(ひさし)や...
吉川英治 「親鸞」
...「あっ……」車廂(くるまびさし)へ...
吉川英治 「親鸞」
...板廂(いたびさし)をかすめて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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