...私の家の庭前に來て止まるのを例としました...
石川三四郎 「浪」
...薄暑の候南軒の障子を開いて偶然庭前を眺めて居るのは愉快に候...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...庭前(ていぜん)にちらちらと人影が動いた...
田中貢太郎 「赤い土の壺」
...それに夜になって人の家の庭前(にわさき)などへ来て角力なんか執るものではない...
田中貢太郎 「庭の怪」
...李汾は庭前(にわさき)を歩いた後に...
田中貢太郎 「豕」
...わずかに庭前の筧(かけひ)の傍にある花梨(かりん)の莟(つぼみ)が一つ綻(ほころ)びかけているのを...
谷崎潤一郎 「細雪」
...庭前(ていぜん)の柏樹子(はくじゅし)と答えた僧があるよしだが...
夏目漱石 「草枕」
...あまり庭前の光景が妙なのと...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...庭前(ていぜん)に水(みづ)をまけばにわかに涼(すゞ)しさが感(かん)ぜられるのと同(おな)じりくつです...
本多靜六 「森林と樹木と動物」
...」といつたある歐洲文學者の言葉に感歎したり(之れは先日讀んだ谷崎精二君の小説の中で學んだ言葉)蟲の音が繁くなつて庭前(にはさき)に女郎花(をみなへし)が盛んに咲いたのを見聞きしながら何時の間に高原が秋になりかけたのかと...
正宗白鳥 「輕井澤より」
...その父の命によりて庭前に愛誦の書一切を燒き捨てたる少年俊雄をわれ自らなりと思ひし人ありしが誤れる事甚だし...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...(九)青鞘の短刀で一刺我々の家の庭前は崖の上にあつて面積が随分大きい...
村山槐多 「殺人行者」
...庭前の信濃桜一本を仙洞へ進らせたといふことが出て居る...
柳田國男 「信濃桜の話」
...一日に何度という数も知れず庭前を往来する...
柳田國男 「どら猫観察記」
...最初私たちは久しい町の生活に馴れてささやかなる庭前の草をも容赦しなかった...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...梅津只圓翁銅像除幕式 (福岡日日新聞抜萃)福岡黒田藩喜多流の先覚者梅津只圓翁の銅像除幕式は十四日(昭和九年十月)午前十一時より福岡市中庄只圓翁旧宅庭前に於て...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...」云いたいことのおしむらがって来る庭前の涼しさだったのに...
横光利一 「旅愁」
...ふと庭前を見ると...
吉川英治 「三国志」
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