...踊場に面してゐる硝子戸のそばを通る度毎に...
アポリネエル Guillaume Apollinaire 堀辰雄訳 「青い眼」
...子を産む度毎(たんび)に必ず助産のお役を勤め...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...その度毎(たびごと)に...
海野十三 「振動魔」
...デミトリチはその度毎(たびごと)...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...お傍の私たちはその度毎に...
太宰治 「右大臣実朝」
...その度毎(たびごと)にニヤニヤ間の抜けた薄笑いをしながら...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...その度毎(ごと)にリリーは返辞をするのであったが...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...*用紙を印刷所へ頼んで印刷させると、刷る度毎に、紙質、大きさ、インキの色合ひなどを、いくらかづゝ違へて来る...
谷崎潤一郎 「文房具漫談」
...その度毎に彼女は庄吉を打ったりまたは足蹴(あしげ)にしたりした...
豊島与志雄 「少年の死」
...何かを云い何かをする度毎に...
豊島与志雄 「別れの辞」
...煙草を買ひに出させる度毎に剩錢(つりせん)を祝儀にくれたお客にも會つて見たくなつた...
永井荷風 「羊羹」
...その度毎に、道庵の方では、友様の野郎をまいてやったと大得意でふざけきっているが、米友の方では、その忠実厳正なる責任感から、血眼(ちまなこ)になって主と頼む人の行方(ゆくえ)を探し廻ったことも、一度や二度ではありませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...お寒くなりました しかしそれ以上に寒ざむしい世の中の變り果てた有樣のやうでございますね ときどき東京に行つて歸つてきた友人などに東京の話を聞くたびに、先生などいかがお暮らしかと、心の痛いやうな思ひをいたします さういふ折など、いつぞや頂戴いたした御手づつの「古代感愛集」を披いては、さういふ一切を超えられた、先生の搖ぎもなさらぬやうなお姿を偲んでは、何かと心を擾しがちな自分の氣おくれを叱つて居りますかういふ現在において、「古代感愛集」はますます私には何よりも得難い書物となりました近在の村に住んでときをり私を訪ねてくるフランス文學をやつてゐる友人にこの書物を見せましたら、ことにその長篇の詩に感動いたし、「ポオル・クロオデルの Ode のもつてゐるやうな、何んといふか……『偉大さ(グランドゥル)』といつたやうなものがありますね」と言つて居りましたクロオデルの Ode のもつ、あの汲めども汲めども盡きずに滾々と涌きあがつてくるやうな詩句の豐かさは、無限なるもの――「神」のうちにその源泉があるからでありませうが、それと等しいことが「古代感愛集」の諸篇のもつ神さびた感じ、その詩句の重量感、ことに長篇の詩のあふれるばかりに充實した感じなどに對しても言へるやうに思へますさうしてさういふさまざまな感じが相俟つつて、私には、この書物が私たちの持ち得た唯一の宗教的な詩集として貴重なものに思へさへいたします(「古代感愛集」の宗教的な感じの源泉を深く究めることは私たちに課せられた大きな問題のひとつとなることでせう 少くとも私はこれから自分のすべき研究の一つの方向をそのはうへ向けて行く決心でゐます)「古びとの島」などの南の海のなかの小さな島にいまも殘つてゐる古代の姿のかそけさ、「足柄うた」などの浪漫的な稀有な美しさ、また「幼き春」などの幼時思慕篇の鏡花のそれを思はせるばかりのなつかしさ、――さういふ諸篇のそれぞれの美しさに、讀む度毎に、感動を新たにいたしてをりますが、就中、「乞丐相」のアイロニイのきびしい美しさのうちには、先生の現在の深い嘆息がきかれるやうで、讀むたびに、何んともいへず惻々とした氣もちになつて參ります 又、私自身の現在の心境の象徴としては「なつぐさ」の小篇がことにありがたく、叢(クサムラ)の古代日本(ニホン)の よろしさ――...
堀辰雄 「「古代感愛集」讀後」
...丁度毎日のようにその常泉寺のほとりで遊んでいたので...
堀辰雄 「三つの挿話」
...今でも陶然とする度毎には...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...奥の罵り声がひびく度毎に亭主は...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...その度毎に長い回廊の硝子戸が一勢に胴震ひして...
牧野信一 「冬物語」
...その一度一度毎(ごと)に...
夢野久作 「瓶詰地獄」
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