...度々死の彼に与へる平和を考へずにはゐられなかつた...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...旅立つて行つた先から永井君は度々手紙を寄せてくれた...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...「椿岳さんが来ると座が白ける」と度々人にいわれたもんだ...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...度々島田夫人と途中で行逢(ゆきあ)った...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...帰朝を待侘(まちわ)びる友人知己はその都度々々に胸を躍らした...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...全身汗だらけになつて度々目が醒める...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...けふはうりきらしたりとてつかひの重箱空(むな)しくかへる事度々なり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...「度々腹痛を覺えるやうになる迄腹膜炎といふことを知る事が出來なかつたのですか」とも聞いて遣り度かつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...更に度々の探検隊や遠征軍を指揮するなど...
豊島与志雄 「アフリカのスタンレー」
...当時私はいろんな用件で――それも彼のための用件で――急に彼に逢わなければならないようなことが度々起ったので...
豊島与志雄 「別れの辞」
...怖ろしいような挙動をなさることも度々ありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それから炉辺で話し込んだ事を度々(たびたび)覚えて居る...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...尤も兵曹長も酒を飮んでは夜深に歸ることが度々でそれを娘がいつも介抱してやつたのだと細君はいつた...
長塚節 「開業醫」
...度々その訳をお訊きするのですけれども...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...度々書状を遣った...
森鴎外 「渋江抽斎」
...それ故度々いうが...
柳宗悦 「改めて民藝について」
...あんまり度々云うので筆者はその科白(せりふ)を暗記してしまった...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...清洲(きよす)へ追ッ返してくれましょう」度々の取次を煩(わずら)わされて...
吉川英治 「新書太閤記」
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