...きょうもまず命は無事だったという底深い喜びがひとりでにわき出して来て...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...地球の傷口のように底深い口をあけている...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...それとも地底深いせいか...
海野十三 「地底戦車の怪人」
...底深い好奇的な魅力に誘われた私は...
大阪圭吉 「デパートの絞刑吏」
...「存在」の底深いところから...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...幾度となく誓われた信念の後にもなお底深い所から上って来て二人を距てようとする淋しいもの...
豊島与志雄 「蘇生」
...ごーッごーッと底深い唸(うな)り声を立て始めました...
豊島与志雄 「夢の卵」
...眼の曇りが薄らぎ底深い空洞を示しかけたが...
豊島与志雄 「林檎」
...人の思考力がいかに底深い所につき落とされているか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ただ闇夜(やみよ)に似た何か沈鬱(ちんうつ)な底深いもののみであった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...――いかに谷の底深いかが解ろう...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...奥山の底深い沼の中に...
中谷宇吉郎 「雪三題」
...冷くて底深いラインの流れが悠々と流れてゐるやうに空想された...
林芙美子 「就職」
...殿下の御命令に服従せんがためであります」これもまた何か底深い陰謀なのに違いあるまい...
久生十蘭 「魔都」
...そこまで自分を鍛えられるほどの底深い情熱をもち得る対象にめぐり合えるか合えないかということもまことにこれこそ千に一つの兼ね合いですものね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...非常に静かな底深いものであるために...
三好十郎 「おりき」
...海のような底深い喧騒にかぶさり...
山川方夫 「昼の花火」
...千鶴子は一見底深い光沢を湛えた瑪瑙のようにきりりと緊って見えるのであった...
横光利一 「旅愁」
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