...底意地の悪い眼で何かをさがすやうにヂロリと控所の中をねめまはして行く...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...繼母の聲と共に何だか底意地ありさうに聽こえたが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...彼のその訪問の底意を見抜く事を忘れなかった...
太宰治 「列車」
...少しは紛れるであろうと云う底意も働いていたのであったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...訊くまでもなくもう底意(そこい)は明らかに見えている...
近松秋江 「狂乱」
...山木が底意は必ずしも知らざるにあらず...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...それにまたいろいろな底意から出ているにせものの評判や...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...底意(そこい)ありげな含み笑いをして...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...底意のある目つきで愛一郎の顔を注視しながら...
久生十蘭 「あなたも私も」
...底意地の悪い笑い方をしながら...
久生十蘭 「キャラコさん」
...楽しめるから」柚子は底意のある眼つきになって...
久生十蘭 「雲の小径」
...彼らの窺うことのできない魂の底意が...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...しかしまた彼のことにすると、底意地の悪い、オールドミス揃いの奥女中たちに睨まれては大変と思ったからだろう、さっそく走り使いの男を呼び寄せると、お国訛りもものものしく、「コレコレ急いで鉄漿の落ちん粉を買ってまいれ!」と命令した...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...きわめて巧妙に論じられているこの章の底意を掴むには...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...子は父の笑顔からある底意を感じたので...
横光利一 「父」
...六波羅の底意としては...
吉川英治 「私本太平記」
...底意は知れぬ」――ふと...
吉川英治 「私本太平記」
...こういう耄碌(もうろく)武者を向けて来た秀吉の底意にたいして...
吉川英治 「新書太閤記」
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