...足利とようやく広濶の地にでて...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...」しかし余をして忌憚(きたん)なく言わしめば居士の俳句の方面に於ける指導は実に汪洋(おうよう)たる海のような広濶(こうかつ)な感じのするものであったが写生文の方面に於ける指導はまだ種々の点に於て到らぬ所が多かったようである...
高浜虚子 「子規居士と余」
...この広濶な坂の一本路で...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...ブラックヒース シューターズ丘とロンドンとの途中にある広濶な公有地...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...彼は大統領より附与せられたる広濶なる全権によりて東京と交趾とを直轄し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...その中にふみ込むと矗々と並び立った木立の下影には案外広濶な空地が開けていた...
豊島与志雄 「恩人」
...彼は彼女を実際以上に広濶(こうかつ)自由であると思った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...会場も広濶で数多の食卓が並んでいる...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...山頂は草原――」「四方広濶にして山頂は?」「草原」「よく判りました」「必ず...
直木三十五 「南国太平記」
...霊南阪上に広濶なる閑地あり...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...非常に広濶(こうかつ)で...
久生十蘭 「地底獣国」
...スウェーデンのもっと広濶(こうかつ)な乾燥している土地ほど健康に適するとは思われないのである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...此地平遠にして青田広濶なり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...紫がかった筑波の姿まで眼界広濶(こうかつ)...
山本笑月 「明治世相百話」
...広濶な天地へ出て酌みましょう...
吉川英治 「旗岡巡査」
...非常に広濶(こうかつ)な...
和辻哲郎 「享楽人」
...人生と文化との広濶(こうかつ)な海面を見わたす能力が当時の男にあったとすれば...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...東京市に広濶な防火公園を設け...
和辻哲郎 「地異印象記」
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