...すると、外の広庭で、誰か大きな声を出してゐるのが、耳にはいつた...
芥川龍之介 「芋粥」
...釜の下から上る煙と、釜の中から湧く湯気とが、まだ消え残つてゐる明方の靄と一つになつて、広庭一面、はつきり物も見定められない程、灰色のものが罩(こ)めた中で、赤いのは、烈々と燃え上る釜の下の焔ばかり、眼に見るもの、耳に聞くもの悉く、戦場か火事場へでも行つたやうな騒ぎである...
芥川龍之介 「芋粥」
...家の後にある広庭へ出て見た...
芥川龍之介 「上海游記」
...目も及ばざる広庭の荒たきままに荒果てて...
泉鏡花 「活人形」
...前の広庭には高い物干し竿が幾列(いくなら)びにも順序よく並んでいて...
田山花袋 「田舎教師」
...馬丁に手を引かれて名古屋の大須観音(おおすかんのん)の広庭で玩具を買っている場面もある...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...広庭を囲む無数の窓がピリピリ風に揺られ...
戸田豊子 「歩む」
...広庭には水溜りがあった...
戸田豊子 「歩む」
...この別邸の広庭のなかで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...広庭の小亭で、二十五歳ばかりの青年がただ一人、ウイスキーを飲んでいました...
豊島与志雄 「碑文」
...広庭へ戻りかけていたが...
中村地平 「南方郵信」
...清い広庭に出て行くことが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...大家の広庭を借りて...
柳田国男 「故郷七十年」
...草も除(と)らなかったらしい広庭の離々(りり)たる茂りをながめていたのを...
吉川英治 「大岡越前」
...「お櫓下の広庭に...
吉川英治 「黒田如水」
...壇(だん)の上から試合(しあい)の広庭(ひろにわ)へ雪(ゆき)のようにまきちらす...
吉川英治 「神州天馬侠」
...一歩外の廻廊から広庭にかけては...
吉川英治 「源頼朝」
...広庭いっぱいの群衆が...
吉川英治 「源頼朝」
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