...紙と布とを飯粒で幾重にも隙間に張りかさねるのだった...
海野十三 「空襲警報」
...幾重にも重ねた新聞包を...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...解けた細紐が幾重にも纒いつき...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...ずっと綱が幾重にも張ってあるのが見えました...
江戸川乱歩 「影男」
...絨毯は幾重にもなった厚いもので...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...まず一本の軌道が下へ向かってうねうねと幾重にも曲りくねって...
モーリス・ルヴェル 田中早苗訳 「或る精神異常者」
...屏風や襖を幾重にも囲って住んでいた女と云うのも...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...幾重にもお願い申します」私たちは窓際に立って...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「暗号舞踏人の謎」
...かようなぶしつけなことを幾重にもお詫び申し上げる』との言づてを頼んだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...機構の幾重にも張りめぐらされた...
中井正一 「図書館法を地方の万人の手に」
...山は幾重にも折りかさなり道は幾條にも分れてゐる...
永井荷風 「十年振」
...エジプトのミイラというやつは死体の上を布で幾重にも巻き固めて...
正岡子規 「死後」
...幾重にも親類になっていた...
柳田国男 「故郷七十年」
...上を幾重にも括り...
柳田国男 「故郷七十年」
...金銭という奇怪なものに幾重にも包まれ育ったこの男爵の苦しさは...
横光利一 「旅愁」
...幾重にも、そこばかりを囲んで離れなかった捕手たちは、袋の中のものを抑えるような考えでいたが、やがて、塗籠(ぬりごめ)の隙間から異臭のある煙が洩れだしたので、「気をつけろ、中に、硝薬(しょうやく)があるッ」と、ひとりが呶鳴った...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...幾重にもおゆるしの程を……」「その詫言(わびごと)はもう遅い...
吉川英治 「剣難女難」
...ご不興を蒙(こうむ)ったかどは、幾重にも、広常が落度に相違ござりませぬ...
吉川英治 「源頼朝」
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