...幾重にもある箱をすっかり開かねばならないことがしばしばあった...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...二萬騎にあまる軍勢が此の山の麓(ふもと)を幾重にも囲んでいる...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...川の流れが幾重にも屈曲して流れている部分を「川の小腸」などと呼ぶのである...
知里真志保 「アイヌ語のおもしろさ」
...幾重にも重なって空低く垂れ籠めていた...
豊島与志雄 「反抗」
...小社の企てに御賛同下されました御厚意を幾重にも御禮申し上げます...
豊田喜一郎 「ボデー意匠審査会 美術の粹を蒐め獨特の形態美へ」
...――尤(もっと)も幾重にも抵当に入って居るって話だが――その庭園を利用して...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...幾重にも御礼を申上げる……」やがて...
野村胡堂 「胡堂百話」
...この道以外は人目の関が幾重にもあったはずですから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...幾重にもお詫びいたします...
牧野信一 「〔編輯余話〕」
...うごめく陽に淡く色づいた空には化物のような怪雲が幾重にも積み重なって...
松濤明 「春の遠山入り」
...幾重にも真綿で包み...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...やがて幾重にもなつた丘の高いところに灰白い修道院の建物が隠見して来た...
三木露風 「トラピスト天使園の童貞」
...幾重にも縫糸をかがって倦(あ)くことを知らなかった...
室生犀星 「後の日の童子」
...幾重にも圏をかいていなさる...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...幾重にもお願い致します...
夢野久作 「少女地獄」
...幾重にも、そこばかりを囲んで離れなかった捕手たちは、袋の中のものを抑えるような考えでいたが、やがて、塗籠(ぬりごめ)の隙間から異臭のある煙が洩れだしたので、「気をつけろ、中に、硝薬(しょうやく)があるッ」と、ひとりが呶鳴った...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...花や歌の御使(みつかい)ではなし」「背命(はいめい)の罪は、万死に値(あたい)いたしましょうが、幾重にも、こう、ひれ伏しまする」「ば、ばかな」こうなってはもう個人藤房の語気である...
吉川英治 「私本太平記」
...ご不興を蒙(こうむ)ったかどは、幾重にも、広常が落度に相違ござりませぬ...
吉川英治 「源頼朝」
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熱いものが込み上げてくる 調味料 絏
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