...幾重にも千切れ千切れの薄緑の浮雲が漂い...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...幾重にも御勘弁願上候...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...足もとの壁に立っている蒸気暖房器の幾重にも折れ曲がった管の中をかすかにかすかにささやいて通る蒸気の音ばかりが快い暖まりを室内にみなぎらせる...
寺田寅彦 「病院の夜明けの物音」
...幾重にも重った私の厄を堯がもし荷っているとしたら……...
豊島与志雄 「生と死との記録」
...幾重にも壁があり戸口があって...
豊島与志雄 「北京・青島・村落」
...小社の企てに御賛同下されました御厚意を幾重にも御禮申し上げます...
豊田喜一郎 「ボデー意匠審査会 美術の粹を蒐め獨特の形態美へ」
...機構の幾重にも張りめぐらされた...
中井正一 「図書館法を地方の万人の手に」
...それは幾重にもお許しを願って...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...エジプトのミイラというやつは死体の上を布で幾重にも巻き固めて...
正岡子規 「死後」
...錦の袱紗(ふくさ)で幾重にも包み...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...麻布の家は幾重にも抵当に入っているし...
三好十郎 「樹氷」
...御滞在中は万事不行届の段幾重にも御詫申上候...
山本禾太郎 「仙人掌の花」
...幾重にも厳重に取り巻いていて...
夢野久作 「白髪小僧」
...幾重にもおゆるしおき下されませ...
吉川英治 「新書太閤記」
...その両手と胴とを幾重にも巻いた縛(いまし)めの紐(ひも)は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その下は幾重にも...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...幾重にも繁った葉や枝や幹に遮られて川島の足許に落ちて来るまでにはすっかり弱められていた...
蘭郁二郎 「植物人間」
...(俺には右足がない!)(俺にはもう右足がなくなっているぞ!)幾重にも捲かれた...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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