...幾百年來同じ鯨音(おと)を陸奧(みちのく)の天(そら)に響かせて居る巨鐘の聲である...
石川啄木 「葬列」
...楠などの幾百年を經たかも判らぬ巨木が空をおほうてゐる...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...結局は、私ひまなもんだから、生活の苦労がないもんだから、毎日、幾百、幾千の見たり聞いたりの感受性の処理が出来なくなって、ポカンとしているうちに、そいつらが、お化けみたいな顔になってポカポカ浮いて来るのではないのかしら...
太宰治 「女生徒」
...幾百幾千とも判らない...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...幾百万の人々が憎み合おうとしてるときにさいして彼は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...定めなき人の世の幾百年つきず絶えざる人の群...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...「進化の行程はすべてこの通りだ、幾百万年、我制統に光を与えこの地上の生命を支えて来た太陽も老廃して枯死(こし)する場合とはなった...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...幾百千丈の谷底へ――...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...縛られた大樹を繞(めぐ)って幾百の光り...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...かくの如くして多年の成跡を見るに、幾百の生徒中、時にあるいは不行状の者なきに非ずといえども、他の公私諸学校の生徒に比して、我が慶応義塾の生徒は徳義の薄き者に非ず、否(い)なその品行の方正謹直にして、世事に政談にもっとも着実の名を博し、塾中、つねに静謐(せいひつ)なるは、あるいは他に比類を見ること稀(まれ)なるべし...
福沢諭吉 「慶応義塾学生諸氏に告ぐ」
...それより以下幾百万の貧民は...
福沢諭吉 「小学教育の事」
...これを下等の貧民幾百万戸一様の有様という...
福沢諭吉 「小学教育の事」
...幾百年の間常に腐敗したる和歌の上にも...
正岡子規 「人々に答ふ」
...最後に放言して吾人(ごじん)が同胞幾百万の血を以て得たる彼万国平和の慈仁なる肖像に再び不潔の血を塗る時あらば...
正岡子規 「四百年後の東京」
...日本じゅう幾百万の国民学校の上級児童は...
宮本百合子 「『くにのあゆみ』について」
...英吉利古今の文士戲曲を作りしもの幾百千家ぞ...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...中(ちゆう)老人は誰が何を書いて幾百フラン儲けたと云ふ様な事を細細(こま/″\)と話して居たが...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...響きは四方へ反響して幾百年默してゐたものの爆聲を一時に立てる...
吉江喬松 「霧の旅」
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