...耳は扇とかざしたり、鼻は象牙(ぞうげ)に介(はさ)みたり、半眼(はんがん)にして辿(たど)りゆくその胴腹(どうばら)の波だちに、息のほてりや、汗のほけ、烟(けむり)となつて散乱し、幾千万の昆虫が、うなりて集(つど)ふ餌食(ゑじき)かな...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...分派以来幾千万年...
大隈重信 「日本の文明」
...他方においては幾千万の人間は漸々(ぜんぜん)貧困となり餓(うえ)に迫られてはだんだん安い給金にも甘んじて...
丘浅次郎 「動物の私有財産」
...冥途に在る幾千万の心の中から...
田中貢太郎 「陸判」
...今後更に戦禍を蒙る筈であった幾千万の人々が救われたのであります...
永井隆 「長崎の鐘」
...幾千万とない真白な女子蛆(おなごうじ)! おばさんの身体が...
中里介山 「大菩薩峠」
...幾千万人が等しく失敗した陋策(ろうさく)である...
夏目漱石 「虞美人草」
...纏頭散財積ンデ其幾千万両ナルヲ知ラズ...
成島柳北 「阿房山賦」
...幾千万年かの生物進化の結果として出来たものでなければならない...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...無論それは幾千万年かの歴史的生命の労作の結果でなければならない...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...(かく)さんとする人はただ一人だがこれを見る人は幾千万人ある...
新渡戸稲造 「自警録」
...幾千万の人物が決して政治家たるべきにも非ず...
福沢諭吉 「学問の独立」
...その数幾千万なるべきや...
福沢諭吉 「文明教育論」
...幾千万と云う人間が...
宮本百合子 「アワァビット」
...橋の架けかたを知らされずに近代を通ってきた正直な日本の幾千万の人々が...
宮本百合子 「歌声よ、おこれ」
...その数幾千万ということを知らず...
森鴎外 「鴎外漁史とは誰ぞ」
...幾千万の事件が我々の頭上に臨んでいるのだと考えれば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...幾千万の心霊を清きに救いその霊の住み家たる肉体を汚れより導き出すために誠心の興奮は吾人の肉骸を犠牲に供す...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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