...幾らかこういう事も...
岩本素白 「鰯」
...室内の装飾などに於て日本の美術が幾らも外へ出て行く...
大隈重信 「女子教育の目的」
...幾ら忠実だからと言つて...
薄田泣菫 「茶話」
...幾らか自分より下に見下して扱ふと...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...世間に或る力をもっていて研究者みずからにおいてもその思想を幾らか曇らせていた固陋な考えかたの残滓(ざんし)がなおどこかにこびりついているために...
津田左右吉 「日本歴史の研究に於ける科学的態度」
...そしてもし來なければと言つて幾らか威しの文句を言つてよこしたのです...
内藤湖南 「日本文化の獨立」
...うちの女中達が島民の標準よりは幾らか顔立が良いとかで...
中島敦 「光と風と夢」
...一方には又一番必要な肥料といふものが爺さんの周到な用意で幾ら吸うても吸ひ切れない程十分に與へられてあります...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...幾らか煙たがられるといった様子があります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...マダ幾らか金が余(あまっ)て彼方(あっち)に預けてある筈(はず)だと云うたら...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...その愉快さはまだ幾らか酔っているような口振りであった...
本庄陸男 「石狩川」
...幾らか神経質になっているようでもあるが...
牧逸馬 「土から手が」
...それでも上記のもの及びその他にまだ幾らもある...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...「だが幾ら梅雨(つゆ)だからツて...
三島霜川 「青い顏」
...幾ら詮議(せんぎ)したとて彼女は生還(いきかえ)っては来ないではありませんか...
山下利三郎 「流転」
...まだ自分にも恋の可能性があるのだと思ふとまた幾らかの張りが出て来た...
横光利一 「悲しめる顔」
...一人の人物の幾らかの心理と活動とには役には立とうが大部分の人間の役には立たなくなるのである...
「純粋小説論」
...幾らその頒(わ)け前を出すと云ったのか知らねえが...
吉川英治 「魚紋」
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