...奥の院は幽邃森厳(ゆうすいしんげん)である...
泉鏡花 「遺稿」
...林泉幽邃の地に読むのとではおのづから異なる味がある...
市島春城 「読書八境」
...もとより崇高、深遠、幽邃、壮大、雅麗等の諸性質はそなえておらなければならぬが、また超快感的の気韻情調の観るべきものを必要とする...
井上哲次郎 「明治哲学界の回顧」
...この上幽邃といっては...
上村松園 「山の湯の旅」
...さも幽邃(ゆうすい)にしつらえた人造の峡谷...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...こんな幽邃の美には一向に感心しない...
太宰治 「お伽草紙」
...まるで石清水(いわしみず)でもそこら中から湧き出そうな幽邃(ゆうすい)な肌寒い感じであった...
橘外男 「逗子物語」
...幽邃(ゆうすい)の趣きをたたえた山裾(やますそ)の水の畔(ほとり)を歩いたりして...
徳田秋声 「仮装人物」
...太田の池という幽邃な大池があった...
豊島与志雄 「樹を愛する心」
...私は市中の寺院や神社をたずね歩いて最も幽邃(ゆうすい)の感を与えられるのは...
永井荷風 「日和下駄」
...旭岳裾合谷の奇岩そばだつ幽邃な山谷をつらぬいて...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...ああ わたしの夢によくみる このひと棲まぬ空家の庭の祕密といつもその謎のとけやらぬ おもむき深き幽邃のなつかしさよ...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...けじめのつかぬ幽邃な廣々とした庭になつたといふ...
長谷川時雨 「家」
...幽邃深静(ゆうすいしんせい)を好んで繁華熱鬧(はんかねっとう)を厭(いと)ふは普通詩人たるものの感情なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...どことなく寂しい気がする魚族の幽邃さは...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...八瀬小原辺にて甚幽邃なる山上に御座候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...山が浅いのと住僧の俗化とのために幽邃閑雅の趣に乏しい...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...夕暮の光の中で垂仁陵の茂つた樹立がいかにも幽邃に見えた...
和辻哲郎 「西の京の思ひ出」
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