...チョッと舌皷して蹲踞(しやが)んだが、幻想は迹もない...
石川啄木 「赤痢」
...やっぱり幻覚であったのか...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...幻花子(げんくわし)が先導(せんだう)で...
江見水蔭 「探檢實記 地中の秘密」
...始めて幻燈を見たときほどには驚かなかったようである...
寺田寅彦 「映画時代」
...彼の幻想も微塵(みじん)に砕かれたと言ってよかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...ちょび毛が円(まる)い頬におとぎの幻想を浮ばせ...
富田常雄 「刺青」
...幻は瞬間に消えたが...
豊島与志雄 「逢魔の刻」
...おまへの見事な幻想はおまへの誓ひを責めさいなんだ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...私の寢てゐた部屋の縁側の障子があいて(無論これは幻覺的にあいたので...
南部修太郎 「自分の變態心理的經驗」
...幻たちはいる...
原民喜 「鎮魂歌」
...太郎の家は、幻灯会につゞく、祝勝宴や、日毎に営まれる戦死者の葬礼に関する事務所に当てられて、電話が架設された...
牧野信一 「サクラの花びら」
...幻と、見並べて見ると、眼の先の成人の太一郎だつて、はつきりと昔の面影を宿してゐる……...
牧野信一 「南風譜」
...絶え間なく脳裏にゆらいでゐる人形の幻を追つて来たのであるから...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...現象を仮象のように語る自他幻想癖をもって居りますね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ホンの一瞬の幻影を見ただけのように思われる...
三好十郎 「肌の匂い」
...その幻影を掻きみだすまいとしていた...
吉川英治 「私本太平記」
...竹童(ちくどう)の愛鷲(あいしゅう)クロのようだったが――見ちがいであったかしら?幻(まぼろし)であったかしら? ――と咲耶子(さくやこ)はあとのしずかななかで錯覚(さっかく)にとらわれた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...まるで幻を見るように...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
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