...幸いここが病院なれば...
泉鏡花 「活人形」
...山中の追跡幸いにも...
海野十三 「蠅男」
...幸い誰も気がつかなかったけれど……見給え...
江戸川乱歩 「殺人迷路」
...幸いにして私の見込は違わなかったが...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...幸い腰にさしていた鎌を川の中へ投げた...
谷崎潤一郎 「紀伊国狐憑漆掻語」
...それでも私のうちでは幸いに隣の井戸が借りられるのでたいした不便はなかった...
寺田寅彦 「断水の日」
...幸いにも、その名誉、その威厳、その光明、その才能は、あの山師たる英雄や勝利者らが戦争と称する投機にかけることを得る骰子(さい)の目ではない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...幸いとは言えません...
中里介山 「大菩薩峠」
...当の人がいないのを幸いに...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここへしけ込んだを幸い...
中里介山 「大菩薩峠」
...幸いに明治の今日(こんにち)に生れたから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...幸いに血を見なかった刀を納めると...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...「金蔵が人並すぐれて欲の深いのを幸い...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「幸いそれが真実(しんじつ)なら...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...幸い冬だから、そう早く死躰の匂うようなこともないだろうが、念のために香をつよくき、火鉢には煎薬を掛けた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...幸いなことに、洞内を赤く照らしている灯は、煙草の煙に茫(ぼう)としているし、すでに市も進んでいるので、一同の喧騒と物慾にくらんでいる目は、そッとまぎれ込んだ金吾にも釘勘にもさしたる注視を向けていない...
吉川英治 「江戸三国志」
...待賢門(たいけんもん)が開いていたのを幸い...
吉川英治 「私本太平記」
...幸いに致命傷は外(はず)れている...
吉川英治 「新・水滸伝」
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