...そこへ――ちょうどその曲の終りかかったところへ幸い主人が帰って来るのです...
芥川龍之介 「或恋愛小説」
...この機会を与えられたを幸いとして...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...幸いに何にも故障がなければだが...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...それは彼らにとって幸いであった...
海野十三 「恐竜島」
...帆村にとってたいへん幸いだった...
海野十三 「蠅男」
...」兼太郎は人のいないのを幸い番台へ寄りかかって顔を差伸(さしのば)した...
永井荷風 「雪解」
...この意味で取入っておくことが幸いであると気がつきました...
中里介山 「大菩薩峠」
...近頃にはない勿怪(もっけ)の幸いでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...幸い滑走路の両側に...
中谷宇吉郎 「白い月の世界」
...幸いにして一部の識者の注意をひき...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...幸い入棺(にゅうかん)したばかり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...三千両から五千両ないと越せませんでした」「で?」「幸い石川様が融通(ゆうずう)して下すって研屋の身上(しんしょう)を建て直したようなわけでございます」「どれほどの融通だ」「三千五百両ほどでございます」「少し大きいな」いかに公儀御用達でも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...幸い主人を怨む者はうんとある...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...幸いあそこの峠の頂には...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...とにかくここをしばらく仮の棲家(すみか)とすることが出来たのは幸いである...
横光利一 「夜の靴」
...つい過日までも」「しからば、この高氏が滞京中の行為に、何か他にも不審とみゆる証拠でもつかみえたか」「ありがたく思われるがよい」道誉は、相手の語気をスラと交わして、「――幸いに、土岐の詮索(せんさく)も無駄だったゆえ、足利領も無事を得、また御辺の身も、今日の召(めし)に晴れて罷(まか)り出られたのでおざろうが...
吉川英治 「私本太平記」
...幸いに、彼が存生(ぞんじょう)中には、たいした事件もなく、世間はいよいよ泰平と無事に狎(な)れ、この間に、宋朝の廟(びょう)も、仁宗から、英宗、神宗、哲宗(てつそう)と御代(ぎょだい)四たびの世代りを見た...
吉川英治 「新・水滸伝」
...今度御用人の平岡円四郎殿がご上洛を幸いにお供のうちに従(つ)いて...
吉川英治 「松のや露八」
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