...ちょうどそこへ顔を出したのは幸いにも医者のチャックです...
芥川龍之介 「河童」
...私へのお調べの始まったのを幸いに...
大阪圭吉 「幽霊妻」
...この禰宜の細君はよくお灸をすえたりお針をしたりするということを幸いに...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...幸いに夜(よ)であって己(じぶん)さえ云わなければ何人(たれ)も知っている者はなかった...
田中貢太郎 「山寺の怪」
...夜を幸い見えも外聞もなく手拭で足を台へ縛り付けて歩いた...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...が幸いにも、芝居が始まった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...幸い乗換の切符は手の中(うち)にある...
永井荷風 「深川の唄」
...欺いた自分たちに幸いがない...
中里介山 「大菩薩峠」
...幸い、肥前(ひぜん)唐津(からつ)に多々羅(たたら)の浜(はま)と云う名所があるから、せめて三平の戸籍だけでもそっちへ移してくれ...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...亥刻(よつ)から子刻(ここのつ)(十二時)の間の事を聴きたいが――」幸い聖堂裏の甚助殺しもここまでは知られず...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...幸い切り口だけは綺麗で」「鋏で切ったらしいな...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私は幸い七十八歳の今日でも健康にはすこぶる恵まれていますから...
牧野富太郎 「植物記」
...例の復讐(ふくしゅう)の望みを聴き知ったのを幸い彼の計画の一切を...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...幸いに誨(おし)えてもらいたい...
森鴎外 「空車」
...それこそ幸い、万一の場合には、その場を去らず斬って斬って斬り捲(まく)り、当の玄蕃に一太刀の怨みを加えて相果てまする覚悟、ただ心残りなは千浪殿の身の上、私亡き後は何卒よしなにご加護のほど願わしゅう存じます」「さすがは健気な言い分――」忠房は鞍壺をポンと叩いて、聞くだに胸が清々(すがすが)しいといった様子に見えたが、すぐ、「しかし重蔵」と、言葉を更えた...
吉川英治 「剣難女難」
...――それも言辞の上や形式だけの好誼でなく、幸い、董相国には妙齢なご息女がありますから、将軍のご子息の一方を、婿として迎えられ、一門子弟、ことごとく郡守刺史(しし)に封ぜんとのお旨であります...
吉川英治 「三国志」
...これは天が君に幸いするものでなくてなんでしょう...
吉川英治 「三国志」
...御用とあれば、もっけの幸い...
吉川英治 「新・水滸伝」
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