...問 予は予の机の抽斗(ひきだし)に予の秘蔵せる一束(ひとたば)の手紙を――しかれどもこは幸いにも多忙なる諸君の関するところにあらず...
芥川龍之介 「河童」
...ちょうど風の落ちたのを幸い...
芥川龍之介 「彼」
...ただ残る二帯のみ暖と冷と幸いあるほどに正しく交じり合えり...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...「ううっッ」何が幸いになるか分らないもので...
海野十三 「地球発狂事件」
...幸いに神が私たちに目をかけて下されて...
デフォー Daniel Defoe 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...幸いにその動作はにぶく不器用なので...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...ここへしけ込んだを幸い...
中里介山 「大菩薩峠」
...幸いこの詳しい紹介の載っている『科学』が手許にあったので...
中谷宇吉郎 「イグアノドンの唄」
...幸いにして、彼の二度目の夫人は音楽を解し、写譜をよくした、夫バッハの作り捨てて顧(かえり)みなかったカンタータ三百曲のうち、百九十曲までは、十三人の子供を養育しながら写譜しておいたのである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...幸いお天気が良いから畳を干そうと思っているんだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...幸い飛込んだお前さんは...
野村胡堂 「芳年写生帖」
...ほんとうに幸いです」何が幸いなのか...
浜尾四郎 「途上の犯人」
...たゞ幸いなことに...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...幸いなことにフリーダがすぐもどってきて...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...これ幸いと郷里にも告げず...
福田英子 「妾の半生涯」
...入院していれあ何よりの幸いですから……ちょっと失礼して行ってまいります」「ま……ま……待て……待てと云ったら……いい事を教えてやる...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...ご息女の輿入れをお見合わせになったのを幸いに...
吉川英治 「三国志」
...幸いのようにも思った...
吉川英治 「新書太閤記」
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