...幸いにも教育を受けなかったとすれば...
芥川龍之介 「少年」
...ただ残る二帯のみ暖と冷と幸いあるほどに正しく交じり合えり...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...手は幸い極板(きょくばん)を離れました...
海野十三 「科学が臍を曲げた話」
...……ナニ築地? それは幸いだ...
海野十三 「深夜の市長」
...取出して多年苦心の拙老に早く安堵をさしてくれ」「かしこまって御座りまする」滝之助は闇の山路を却(かえ)って幸いに...
江見水蔭 「怪異黒姫おろし」
...幸いにして訝を為すなかれ...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...お松さんという心がけのよい娘さんの手で育てられているから幸いだし...
中里介山 「大菩薩峠」
...幸いに老女怪を見ることができた...
中島敦 「悟浄出世」
...幸い何にも動かしてはありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...北番所の例繰方(れいくりかた)に空席のあるのを幸い...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...手拭(てぬぐい)で鼻までかくして、裏の方へまわってゆくと、幸い人ッ子一人、あたりに見えない――おふくろか、せめて、弟の奴でも出て来たらと、塀のふし穴に耳をつけるようにしていると、茶の間で夕飯中らしく、皿小鉢の音がしたり、一家中で、何か、面白そうに話し合って、笑っている声までが聞えて来るんだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...手がかりは幸いにまだ残っている...
柳田国男 「海上の道」
...で、今日――ここに來て私のそばにをります女房は、これはまさしくわが家の女房でございますので(笑)――多少年はちがひますが、ひとり阿部眞之助老だけでなく、幸いに、ここにお集りの方々も、とくと御覽おきを願つて(笑)なほ將來よろしくおねがひいたしたいのであります...
吉川英治 「折々の記」
...お味方の幸いである...
吉川英治 「三国志」
...幸いにと申しては勝手ですが...
吉川英治 「新・水滸伝」
...幸いに致命傷は外(はず)れている...
吉川英治 「新・水滸伝」
...幸いに彼女の顔へはあたらなかったが...
吉川英治 「親鸞」
...しかし幸いに、寸閑を得、十月下旬、大略、義仲史蹟を歩いて来て、収穫も少なくなかった...
吉川英治 「随筆 新平家」
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