...幸いに、風が強く、僕等をのせた怪しげな風船は、幽霊船の上空を離れて、大渦巻の圏外へ吹き飛ばされようとする...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...幸いに命を取り止めて来た今日でもやはり断えず何かしら病気をもっていない時はないように思われる...
寺田寅彦 「笑い」
...でも幸いなことに...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「黄色な顔」
...幸い其処の角にあるカフェーの表が開いていたので...
豊島与志雄 「微笑」
...これは常ならばむしろ勿怪(もっけ)の幸いで...
中里介山 「大菩薩峠」
...気が狂うほどの緊張を幸いに受けずとすんだ余には...
夏目漱石 「思い出す事など」
...丁度幸い、此処に反魂香(はんごんこう)を持参いたして居ります...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...不幸中の幸いですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...岡っ引が捜し出したかも知れない――幸い隠した場所がわからないから大事な品が無事なんだよ」「そんなものかね」「念のためにそのたんすを引っくり返してみておくれ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...このほうも幸いなるかな...
久生十蘭 「金狼」
...幸いに――ただし筆者にとって――この地方には送電線が絶無であったから...
武者金吉 「地震なまず」
...日本では幸い茶道がこの真理を吾々に教えました...
柳宗悦 「民藝の性質」
...幸いに、自分は袁紹(えんしょう)、劉表を討平(とうへい)し、身は宰相の重きにあるといえ、或いは疑いを抱いて、曹操も天下を纂奪(さんだつ)する野心があるのでないかなどという者があるかもしれぬが、われ少年の日、楽毅之伝(がっきのでん)を読むに――趙王が兵を起して燕国(えんこく)を討とうとしたとき、楽毅は地に拝伏し、その昔日(かみ)、臣は燕王に仕えり、燕を去るも燕王を思うこと、なお今日、あなたに仕える真心と少しも変りはない...
吉川英治 「三国志」
...幸いに頭陀袋はそのままあった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...幸いにも、京の町では誰にも咎(とが)められなかった...
吉川英治 「親鸞」
...幸いいま、恋愛は自由になっとります...
吉川英治 「親鸞聖人について」
...幸いに弁蔵は口がきけるので...
吉川英治 「日本名婦伝」
...春日さんのは幸い合っていますから春日さんから輸血させて戴きます……』『さ...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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