...大分心が平静に復(かえ)っていた自分はまた感情が激してきて...
近松秋江 「狂乱」
...これを仮りに人のこととして平静に考えてみても...
近松秋江 「黒髪」
...彼は平静にして傾聴していた...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...そしてそのような生活がいつまでも妨げられずに平静に続いて行って...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...安臥(あんが)の地位を平静に保っていた余には...
夏目漱石 「思い出す事など」
...向後日清戦役もしくは日露戦争のごとき不規則なる情操の勃張(ぼっちょう)を促(うな)がす機会なく日本の歴史が平静に進行するときは...
夏目漱石 「創作家の態度」
...それは昂奮(こうふん)したお延の心持がやや平静に復した時の事であった...
夏目漱石 「明暗」
...出来るだけ平静に描いたつもりである...
原民喜 「長崎の鐘」
...グレゴールはずっと平静になっていた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...二時間ほどつづいて平静にかえった...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...この頃になるとマザロフはまったく平静に戻り...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...真実を知った後も平静に行動すると保証出来るだろうか...
牧逸馬 「運命のSOS」
...極めて平静にゆとりをもって加賀山夫婦を顧みた...
「海流」
...やっぱり平静に思い描くことは出来ない...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そういう場合、いつもあながち最少抵抗線を辿る心持からだけ出発しているわけでもないということがわかっていただけて、私は一層平静に、従って落付いて考え乍らやってゆけるというわけになり、そのためにすこやかさを喪わないですみ、展望を失わないですみ、重吉の千石船たるを失わない結果になれると信じます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その欲望を飽かしめて平静に立ち帰り...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...けれども菊千代はきわめて平静に父の眼を見あげた...
山本周五郎 「菊千代抄」
...観念してるもののように平静に階下の刑事と面接した...
若杉鳥子 「ある遊郭での出来事」
便利!手書き漢字入力検索