...ありがたい事には力三は平気な顔で兄と居相撲(すわりずまふ)か何か取つて...
有島武郎 「お末の死」
...こちらも平気な顔でたずねた...
江戸川乱歩 「影男」
...鶴千代はその儘平気な顔で押通してゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...半さん夫婦は全く知らずにこうして平気な顔で朝飯をやってるということが分った時には...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...そんな訳でとうとう春琴は我(が)を張り通し妊娠(にんしん)の一件を有耶無耶(うやむや)に葬(ほうむ)ってまたいつの間(ま)にか平気な顔で佐助に手曳(てび)きさせながら稽古に通っていたもうその時分彼女と佐助との関係はほとんど公然の秘密になっていたらしいそれを正式にさせようとすれば当人たちがあくまで否認するものだから...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...偶然このカッフェーで邂逅(かいこう)しても、互(たがい)に黙契する処があるらしく秘密を守り合っているくらいなので、何を言ってもまた言われても互に気を悪くするはずはないと、平気な顔で、折からテーブルを叩(たた)くらしい音がするのを聞きつけ、自分が持番の客ではないかと、音する方へ目を注ぐ...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...全然色気(いろけ)のない平気な顔では人情が写らない...
夏目漱石 「草枕」
...それで、私が指を引っ込めると、今度は、平気な顔で、虫やかたつむりをあさり歩いているのでした...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...木津さんには悪いけど……平気な顔でおし通すつもりなら...
久生十蘭 「猪鹿蝶」
...平気な顔で食事を始めている麻耶子(まやこ)に...
久生十蘭 「キャラコさん」
...どんなことがあっても!」鶴は平気な顔で...
久生十蘭 「金狼」
...よろしいと返事してやった」「平気な顔で...
久生十蘭 「春雪」
...鮎子は案外平気な顔で...
久生十蘭 「ハムレット」
...いっこう平気な顔で「ほとほとに(女洞の掛言葉)舟は渚に揺(ゆる)るなり...
久生十蘭 「無月物語」
...それから先きは平気な顔で相手の面前に立ちふさがったきり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...平気な顔で言った...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...「そのうち十両だけは小粒にしていただきたい」と去定は平気な顔で云った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...あんた知らないの」とおとよは平気な顔で云った...
山本周五郎 「五瓣の椿」
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