...矢部は平気な顔をしながらすぐさま所要の答えを出してしまった...
有島武郎 「親子」
...サモ天地に恥じない公明正大の人であるかのような平気な顔をして私の前に現れた...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...博士は、平気な顔で、ちょっと自分の尻をがさがさとかいただけであった...
海野十三 「大使館の始末機関」
...この方も同じく平気な顔をして...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...」坊主は平気な顔をして言つた...
薄田泣菫 「茶話」
...波子が平気な顔をしているのも...
高見順 「いやな感じ」
...またすぐ次の晩に平気な顔してまいります...
太宰治 「ヴィヨンの妻」
...平気な顔して夏の白いシャツを黙って着ている...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...平気な顔を装うて...
橘外男 「雷嫌いの話」
...平気な顔で長(ちょう)ちゃんはあたいの旦那(だんな)だよと怒鳴(どな)った...
永井荷風 「すみだ川」
...少し塩辛いだけだ」と平気な顔をしている...
中谷宇吉郎 「面白味」
...平気な顔をして並んでいたことである...
中谷宇吉郎 「老齢学」
...面倒だから、平気な顔をして、「ええ宜しい、行きましょう」と機嫌よく答えた...
夏目漱石 「それから」
...木津さんには悪いけど……平気な顔でおし通すつもりなら...
久生十蘭 「猪鹿蝶」
...二宮の先妻の子で、死んだ香世子には継娘にあたるのだが、柚子が美しすぎる継母を憎んでいるように、香世子のほうでも、醜い片意地な娘を好きになれないようで、誰かと柚子の話をするときは、平気な顔で、うちの鬼っ子がという...
久生十蘭 「雲の小径」
...そこから塀へ取りつけば庭の土の上に少しも足跡をつけずに「すず本」を抜け出すことが出来る」と平気な顔でこんなことをいう...
久生十蘭 「魔都」
...それを平気な顔をして一口飲むとそそくさと立って行った...
水野葉舟 「香油」
...平気な顔をしている...
森鴎外 「鶏」
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