...ありがたい事には力三は平気な顔で兄と居相撲(すわりずまふ)か何か取つて...
有島武郎 「お末の死」
...予は猶更平気な風をしていねばならぬ...
伊藤左千夫 「浜菊」
...けれどやがて、何を、何う云つても、平気な顔で、聞いてゐるのかゐないのか分らないやうな谷の態度に、何の手ごたへも感じなくなつた母親は、とう/\終りには、独り言のやうな調子から涙声になつて、黙つてしまつた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...」なぞと平気な顔をして笑っていた...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...彼は平気な顔で「何を証拠にそんなことをおっしゃるのです」と云い返す丈けの自信はある...
江戸川乱歩 「心理試験」
...母親は強(し)いて平気な顔をした...
田中貢太郎 「女賊記」
...平気な面(つら)して貰ひに行く...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...すると龍馬はプイと何処へ行つたか分らなくなつたので、私は困つたが茲処(こゝ)ぞ臍(ほぞ)の据え時と思つて、平気な風をして、あなた等大きな声で何ですねゑ、と懐ろ手で澄して居ると、浪人は何処へ逃げたかなどブツ/\怒りながら私には何もせず行過ぎて仕舞ひました...
楢崎龍、川田雪山 「千里の駒後日譚拾遺」
...二宮の先妻の子で、死んだ香世子には継娘にあたるのだが、柚子が美しすぎる継母を憎んでいるように、香世子のほうでも、醜い片意地な娘を好きになれないようで、誰かと柚子の話をするときは、平気な顔で、うちの鬼っ子がという...
久生十蘭 「雲の小径」
...また平気なものさ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...殺すということについては戦争中の殺すことに平気な傾向を皆もっています...
宮本百合子 「浦和充子の事件に関して」
...本当に平気なのです...
森鴎外 「Resignation の説」
...世間から背徳者といわれても平気なのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ガチョウは平気なものです...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...そうして平生(いつも)の通りの平気な足取りで...
夢野久作 「冗談に殺す」
...平気な顔でいった...
吉川英治 「平の将門」
...平気なのだ...
吉川英治 「源頼朝」
...少しして水木が、平気な顔をして、いや寧ろ希望に輝いた顔色を見せながら、下りて来た...
蘭郁二郎 「魔像」
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