...車夫はろくに見知りもないものに大金を渡して平気でいる女の顔を今さらのようにきょときょとと見やりながら空俥(からぐるま)を引いて立ち去った...
有島武郎 「或る女」
...政夫さんは平気でいるから憎らしかったわ」「僕だって平気なもんですか...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...向こうは平気でいるのです...
海野十三 「怪塔王」
...果して虚心平気でいることが出来るだろうか...
江戸川乱歩 「心理試験」
...これでも切れると云って平気でいるのは...
寺田寅彦 「ラジオ雑感」
...姐さんが平気でいるのが...
豊島与志雄 「男ぎらい」
...それでも、みなさん、平気でいるから、おかしいわ...
豊島与志雄 「旅だち」
...幸と不幸との賭事(かけごと)の中で局外者のように平気でいる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...独り君江に限らず世間の若い女が五十六十の老人に身を寄せて平気でいるのは...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...世間が先生を知らないで平気でいるのが残念だったからである...
夏目漱石 「こころ」
...母は父が庭へ出たり背戸(せど)へ下りたりする元気を見ている間だけは平気でいるくせに...
夏目漱石 「こころ」
...けれどもだれも気がつかない、平気でいる...
夏目漱石 「三四郎」
...しかし事実上彼らはパノラマ的のものをかいて平気でいるところをもって見ると公然と無筋を標榜(ひょうぼう)せぬまでも冥々(めいめい)のうちにこう云う約束を遵奉(じゅんぽう)していると見ても差支(さしつかえ)なかろう...
夏目漱石 「写生文」
...なぜこんな余計な仮定をして平気でいるかというと...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...しからばとて国が仆(たお)れても自分の炉辺(ろへん)に差支(さしつか)えなければ平気でいるかというとそうでない...
新渡戸稲造 「自警録」
...宝物をひとりで取って平気でいるのでは...
宮本百合子 「新たなプロレタリア文学」
...平気でいるのではあるまいか...
森鴎外 「かのように」
...同船の豚がその大嵐を目の前に見て少しも恐れず平気でいるのを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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